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会議所昼食会=UFJ銀行武田氏が講演=「グローバル経済と為替動向」

ニッケイ新聞 2011年9月27日付け

 ブラジル日本商工会議所(近藤正樹会頭)が主催する9月の定例懇親昼食会が16日、サンパウロ市のインターコンチネンタルホテルで開かれ、三菱東京UFJ銀行欧州市場部調査役、シニアカレンシーエコノミストの武田紀久子氏による講演「グローバル経済と為替動向」があった。
 冒頭、「現在の為替市場について円相場は高止まり、ドルは市場最安値を記録している」と述べ、昨年から今年にかけアラブ諸国で発生した大規模反政府デモや抗議活動などの騒乱「アラブの春」や東日本大震災による影響、リーマンショックの再発で「金融市場は大荒れ」とし、キーワードに「欧米の日本化」、マンテガ財務相発言の「通貨戦争」を挙げた。
 「日本化」とは、バブルが崩壊した90年代以降、低成長が長期化し、政治の機能不全が続く日本の現況を指すもので、今年7月発行の英国誌「エコノミスト」に掲載された記事のタイトルにもなっている。
 ドルとユーロは長年、一方が高くなると片方は安くなるという相関関係にあったが、ここ数年は新興国が高成長、高金利で「通貨高」、先進国が低成長、低金利で「通貨安」が定着し、「近年はドル、ユーロとも安値に留まっている」とした。
 「そのため新興国は、『通貨引き下げ戦争』に突入している」と話す。
 「今後は新興国と先進国のGDP総額は逆転、パワーバランスやIMF(国際通貨基金)での投票権は拮抗する見込みだが、外国為替市場は依然として米ドルが4割強、ユーロが2割のシェアと強く、今後もドルとユーロを中心に取引される」と説明。
 今後の円相場について、「2013年半ばまでは日米金利差ゼロが続く見通し」とし、リスク回避傾向にある投資家間で、円とスイスフランは逃避通貨とみなされているという。
 財政問題の面でも、日米の貯蓄率は現在ほぼ同じで、長期的にみると円安に移行する可能性があるという。
 また、会場からの質問を受け、個人的な意見として「ユーロは崩壊しない。ドイツやギリシャはEUから脱退しない」と締めくくった。

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