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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年10月28日付け

 2面に詳報された通り、ジウマ政権になって5人目の汚職による大臣交代だ。2カ月に1人平均は少なくない。興味深いことにこの5人にはほぼ共通したパターンがある。(1)新聞や雑誌で告発される、(2)大臣が無罪を主張する、(3)さらに深刻な告発をされる、(4)ジウマ大統領が弁護する、(5)大臣は突然辞任して「名誉は保たれた」と宣言、(6)ほとぼりが冷めた頃に官憲から「証拠不十分で無罪」と発表されてそれきり——というものだ▼大臣が個人的に不正を働いていたレベルの話ではなく、党もしくは政権ぐるみの工作である可能性が、様々な識者から指摘されている。だから、次から次へと同じパターンの不正資金疑惑が摘発されるという主張だ▼組織的である場合は、「政権」としてなのか、「党」としてなのか、は大きな疑問だ。良くも悪くもブラジルを体現すると表されるPMDBあたりの大臣ではなく、むしろそれと対極をなすと思われていたブラジル共産党が今回、同じことをしたという意味で感慨深い。「国民性」という言葉が頭をよぎる。この資金が、来年の選挙資金に回される可能性が高いことは言うまでもない▼朝、サンパウロ市ベラ・ビスタ区の伝統あるキリスト教会前を通りかかった時、大きな路上ゴミが捨てられているなと思ったら、7歳ぐらいの少年が丸くなって座り込んでいた姿だと気付いて驚いた。けっして悪い身なりではない。母親にキツクしかられて家を追い出され、ひどく落ちんで呆然と座り込んでいるように見えた。今は、不正を働いてふてぶてしく開き直る政治家にも、きっとこんな時期があったのだろうと考え込んだ。(深)

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