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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年10月29日付け

 生存する高拓生が僅か3人という今、子孫たちがバトンを継いだ。内輪だけで静かに式典を行ってきた高拓生に対し、80年も経ってから、子孫の間で歴史の継承や州政府による謝罪の要求など、盛んな動きが起こってきたことを不思議に感じ、何人かに話を聞いた。
 すると戦前は、高拓生らはアマゾン湖畔に留まり厳しい生活に耐え、より良い教育を受けさせるため、子供だけは町の学校に通わせたという。ブラジル社会へ溶け込めるようにとポ語教育に重点を置き、自分を踏み台にして子供の未来に投資した。そのため離れて暮らした家族が多かった。
 にも関わらず高拓二世らの、教育してくれた親に対する敬意と感謝は深く、それが80年経った今、親の無念を晴らすかのような働きかけになったのだと思った。(阿)

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