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生涯野球!最高齢は86歳=第12回OB野球大会=52人がハツラツプレー

ニッケイ新聞 2012年1月17日付け

 72歳以上の〃野球少年〃が参加する『第12回オールドボーイ野球大会』が15日、サンパウロ市のボンレチーロ球場で行われた。最高齢86歳を筆頭に80代8人を含む52人が集まり、ハツラツと白球を追いかけた。カンピーナス、カッポンボニートなどからも早朝に車で駆けつけた。青年時代を野球と共に過ごした日々の思い出を聞いた。

 半年に一度行われる同大会。公式戦では「70歳以上」のカテゴリーしかなく、高齢者の選手のプレイする機会が限られていたことを受け、6年前に親善大会として新設された。
 当日4チームを編成し、準硬式球でトーナメント戦。「第一は健康。選手の出入は自由だから全員が参加すること」と大矢進貞世話人が挨拶し、各球場に分かれた。
 念入りにストレッチとキャッチボールをし、試合は始まった。
 第一球場で行われたジガンテ対カンピーナス・スドエステ混合チームの試合は、エラーが目立ったジガンテを攻め立て、17対2で圧勝。円陣を組んで勝どきを上げた。
 「エラー続きでイニングが終わらないかと思ったよ」と笑うジガンテの投手松井清二さん(75、熊本)。両親とパラー州ベレンに移住後、57年に出聖した。
 「北伯も野球が盛んでね。ピメンタで景気が良かった時は、飛行機をチャーターして全伯大会に出た。でも一回戦負けでもったいなかったな」と豪快に笑った。
 第二球場のキンコー対ABCはキンコーが三回に打線爆発、宍戸正興さん(74、東京)の4打数4安打の活躍もあり12対6で勝利した。
 勝利監督となった井伊邦夫さん(78、二世)は、リベイロン・プレット市に住んでいた17歳の時から我流で始めた。 「当時リベイロンではやる人が少なく、野球好きの親父とバッテリーを組んでいた。僕が投手。肩は強かったがコントロールがなくて、随分親父をいじめたな」と振り返る。
 広瀬輝夫さん(86、二世)は、ツッパン出身。13歳に移ったパウリスタ線ヴェラ・クルスでは「学校に野球道具が揃っていて毎日練習できた。汎バウルー大会で優勝した年もあった」と懐かしむ。
 50年に出聖、洗濯屋を営みながら野球を続けた。「短距離をやっていて足には自身がある」と守備範囲の広いセンターを務める。「野球があるから元気でいられる。死ぬまでやめませんよ」と笑った。
 雨天のため、やむなく一試合で中止。早々と着替え、缶ビールを片手に一品持ち寄りの料理とそうめんに手を伸ばした。
 「野球だけに89まで続けたい」とのジョークに会場は沸いた。
 表彰式では今日のMVPに8人が選ばれ、大会を手伝った4人の夫人、12回欠かすことなく参加した4人に皆勤賞が贈られた。雑談を楽しみながら、三々五々帰路に就いた。

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