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秋祭り今年も盛大に開催=モジ市民全体の行事に成長=サンパウロ州文化局が30万レ助成=約8万人来場、1500人手伝う

ニッケイ新聞 2012年4月17日付け

 モジ・ダス・クルーゼス文化協会(中山喜代治理事長)が主催するサンパウロ州最大の農産展の一つ「第27回秋祭り」が今年も13〜15日に同総合運動場で開催され、8万人以上(主催者発表)の人出でにぎわった。日系議員3人の共同申請により、サンパウロ州文化局から特別に30万レアルが助成され、その調印も開会式で行なわれた。昨年は高さ8メートルの大鳥居が入口に常設され、店舗数も増え、農産展の飾りつけはどんどん本格的になり、祭りの規模は拡大の一途をたどっている。

 14日午後2時からの開会式で中山理事長は「サンパウロ州最大の農産展の一つに成長した。これは市や議員、ボランティア、みなさんのおかげ。今ほど農業を尊重してくれるモジ市長は過去にいない」と感謝の言葉をくり返し、農道の舗装などの実例を列挙した。
 マルコ・アウレリオ・ベルタイオリ市長は、「州の農業界への貢献を見せつける立派な祭りがモジで行なわれることは誇りだ」と語り、「過去を知らなければ未来を作ることはできず、現在を活かずことも難しい。日系コロニアはその良例を一般市民に見せてくれている」と締めくくった。
 当日午前中はアウド・リベイロ=スポーツ大臣がモジを訪れ、青少年スポーツセンターの開所式に出席し、秋祭りにも立ち寄るとの憶測も流れていたが、市長は「どうしても時間の調整がつかず、大臣からよろしく伝えてくれ」と伝言されたと報告した。安部順二、飯星ワルテル両下議、西本エリオ州議らがサンパウロ州文化局に申請していた助成金30万レアルの署名式も行なわれた。
 津田フランキ総合コーディネーターは「1500人がボランティアで祭りに協力してくれている。みんなの協力の賜物だ」と挨拶し、コムラ・ペドロ市議会副議長も「来週から第28回の準備を始める」と宣言した。
 本多ミキオ副理事長も「渡辺悟理事長時代からこの10年で急激に大きくなった」と語った。約80軒の販売店や展示ブースが並び、うち自動車販売店関係が10以上もあり、東京海上火災も出店し、原島朗(あきら)ブラジル社長自ら幹部を連れて訪れていた。
 総勢12人で来場したスザノ文協ゲートボール部の河村一郎さん(89、愛媛県)は「毎年大きくなっているのにたまげた。たいしたもの」、渡辺正さん(ただし、68、東京都)は「さすがはモジ」、吉田稔さん(75、二世)も「毎年新しいものがある。楽しみにしている」などと語った。
 鶴我博文さん(76、福岡)=モジ在住=は「デカセギ帰りの人に向けて『お帰りなさい』というテーマを掲げることは、一世の発想では出来なかった。素晴らしいこと。昔は自分たちのための祭りだったが、今はモジ市民みんなで楽しむものになった」と目を細めた。

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