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自宅分娩に医師関与禁ず=時代逆行のリオ地方協議会

ニッケイ新聞 2012年7月25日付け

 リオ州地方医師協議会(Cremerj)が、自宅分娩に医師が関与する事と病院での分娩への助産婦の参加を禁じた。違反した医師に対してはその倫理を問い、資格剥奪もありうると24日付伯字紙が報じた。
 同協議会の医師は、この決定は自宅分娩を禁じたものではなく、事前の検査で問題がないから自宅分娩と考える人に、予期せぬ事態が起きれば母子共に命の危険にさらされる事を認知してもらうためと釈明。地方看護協議会(Coren)は、この決定は他の専門職の仕事に干渉し妊婦が分娩の場を選択する権利を奪うと反発し、8月5日にイパネマで抗議の行進を行おうと呼びかけた。
 自宅分娩に反対を唱えている産婦人科医協会連合(Febrasgo)は、「自宅分娩に関与する医師に倫理的な問題があるとは考えがたい」とし、「ブラジルでは必要もないのに行われる帝王切開の方が問題」と発言。「病院分娩への助産婦の参加は妊婦の安全性向上に役立ち、その利点は国際的に認められている」と医師協議会の決定に疑問を投げかけた。
 自宅分娩を望む妊婦は増えており、リオ州医師協議会の決定は、統一医療保険システム(SUS)への助産婦参加を図る保健省や世界保健機構の見解にも反している。

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