ホーム | 日系社会ニュース | 7千人が来場、笑顔の輪=ペ・バレット盆踊り大会=「♪チエテ生まれは器量良し」

7千人が来場、笑顔の輪=ペ・バレット盆踊り大会=「♪チエテ生まれは器量良し」

ニッケイ新聞 2012年8月3日付け

 ペレイラ・バレット文化体育協会(木庭元幸会長)による『第51回盆踊り大会』が先月28、29の両日にノロエステ線の同市(旧チエテ移住地)で開催され、約7千人が来場した。サンパウロ州、同市のカレンダーに公式行事として登録されているブラジル最大級の盆踊り大会であり、円形に整備されたダンスフロアと常設の櫓を持つ専用会場で行われることで有名。祭りを彩るお囃子は同文協音楽部が第1回大会から務める。29日午前9時からは、同市移民資料館で慰霊法要も営まれた。

 同大会は、文協が市から「地域を盛り上げる行事創設を」との要請を受け、1961年に始まった。当初は文協が保有していた市内の野球場を会場としていたが、約20年前に売却し、現在の専用会場を創設。以来、売店や調理場の設置、客席のコンクリート化などの改修を行い設備の充実が図られてきた。
 午後8時頃、「花笠音頭」から大会はスタート。参加者は早速フロアに降りて列をなし、楽しげに体を揺らした。続いて8時半頃から行われた開会式では、木庭会長から盆踊りが郷土のために尽くした先駆者らの供養の意味を持つことが説明され、来場者に感謝の意が示された。
 会場に流れる音楽は、一部のマツリダンスを除き全て同文協音楽部の7人によって約10曲が生演奏され、「炭鉱節」の歌詞の一部を「チエテ育ちは器量よし 踊りも上手で 歌も良し」などとした替え歌も披露された。
 大きな盛り上がりを見せた大会は、午前0時頃まで続けられた。観客席に座り、リズムに合わせて手拍子を打っていた西村静枝さん(74、富山)は「若い子が多くて見ているだけで楽しい。息子も踊っているんです」と満面の笑顔で話し、ミランドポリス市から家族とともに訪れた竹原直美さん(40、三世)も「色々な世代の人が一緒になって踊っているのは不思議だし凄く楽しかった」と満足の表情で話した。


地元の祭り支えるお囃子=55年の文協創立時に結成

 1955年の文協創立とともに結成された音楽部は第1回大会から演奏を担当。毎年6月中旬頃から打ち合わせ・練習を始め、7、8月の2カ月間が活動期間となる。
 近隣のジャーレス、パルメイラ・ド・エステ、サンタフェ・ド・スール、イーリャ・ソルテイラなどの盆踊り大会でもお囃子を務め、地域では有名な存在だ。
 メンバーの中心的存在で、創立当初からの部員であるマンドリン担当の三沢健男さん(84、東京)とヴァイオリンを演奏する水野明計さん(85、愛媛)は「当時、20人以上いた初期メンバーも今は2人だけになってしまった」と笑い、「まさか50年以上も盆踊りが続くとは。参加者も非日系が増えて、当時とは丸っきり様子が違う。変わらないのは私らだけ」と感慨深げに語った。

image_print