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バイーア州アラゴイニャス市=投資額4億レ、工場増設=キリンHD子会社 スキンカリオール=最新設備で生産力を倍増

ニッケイ新聞 2012年9月1日付け

 キリンホールディングス(キリンHD、三宅占二代表取締役社長)=本社東京=が昨年10月に子会社化した当地の大手ビール・清涼飲料メーカー、スキンカリオール・グループ(Schincariol、ジーノ・ディ・ドメニコCEO)が、2010年から増設工事が進められていたバイーア州アラゴイニャス市の同社工場の増設式が8月29日にあった。三宅代表取締役やジャッケス・ワグネル州知事、ソニア・フォンチス同市開発局長や報道関係者、企業家ら約100人が出席した。投資総額は4億レアル。3万3千平方米が加わり総面積は11万平方米、最新設備も導入し生産能力2倍を目指す。

 キリンHDは昨年8月、同グループから株式の50・45%を買い取ったが、残りの株を持つグループから買収無効の訴訟を起こされ買収は難航していた。しかし同年10月、少数株主の全持ち株を買い取ることで100%子会社化。アジア・オセアニアに加えて南米に足がかりを得て、更なる海外展開を図る。
 97年に設立された同市工場は北東伯最大。同地域での市場シェアは3分の1と比重も高く、成長率は全伯平均の4倍を誇る。
 増設式でジーノCEOは「約4千人が直接・間接的に職を得た」と喜び、「エネルギーの消費を抑え、持続可能な水利用のための世界最新技術も取り入れた」と改善点を紹介。ジャケス知事は「企業進出は、住民の収入や就職に非常に重要」と州の更なる発展に期待を込めた。
 三宅代表取締役はブラジル市場の重要性を強調、「スキンカリオールの事業を通し地域貢献したい」と述べ、記者会見では「競争相手より客を見ることが大事。客の視点で地域に合わせた商品展開をすれば、ブランド発展に繋がる」と社の姿勢を示した。

広場再生し、地域に感謝

 同社はまた、15年間の工場存続に寄与した地域住民への感謝の印とし、市と提携してエスタジオ・アントニオ・カルネイロ周辺の広場の再生工事を行なった。
 同日朝に除幕式が行なわれ、広場は「プリモ・スキンカリオール」と命名された。プレイグラウンドや遊歩道、体操器具などレジャー施設やキオスクが設置され、既に大人から子どもまで、地元住民らで賑わっている。

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