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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年9月22日付け

 日本の「敬老の日」は先の9月15日だったが、この祝日に行われた調査で「百歳以上が5万人を突破」したそうだ。勿論、初めてのことであり、なんとも喜ばしい限りである。昨年に比べると3620人も増えて5万1376人にもなったのだから—これはもう驚くしかない。町や村の古老らは、還暦を迎えた熟年たちをも若者扱いにしたが、こんなに長寿者が多くなれば今のご老人?らもよほどしっかりとしないと「笑い者」になりかねない▼こんなに長生きができるようになったのは、医学の進歩もあるだろうが、やはり毎日の食べ物が滋養に富み、美味しくなったのが第1の理由であろうかと思う。歳を重ねてもジョギングや軽い運動を欠かさないとかの生活環境の改善も大きい。高齢になっても、病気などで「寝たきり」では、長寿の喜びはなく、寂寞感だけが広がる。やはり「元気に明るく」でなくてはいけない▼女性で初めての文化勲章に輝いた作家の野上弥生子は卆寿になっても美しい文章を書き残しているが、このような「老後」を目指したい。あの100歳を超してから国民的な人気者になった名古屋の双子姉妹の成田きん、蟹江ぎんさんのお二人も天真爛漫で明るかった。テレビ「徹子の部屋」やNHKの「のど自慢」にゲスト出演もした。103歳のときに台湾に旅行することになったときは「(名古屋弁が)通じればいいけれどな」と心配もする▼遺伝というか血筋なのか蟹江ぎんさんの4人の娘さんも長生きで平均年齢が93歳とかであり、近頃はお母さんのように若者らに慕われ人気絶頂だそうな。こんな老境を迎えたいものだと念じている。(遯)

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