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亜国=日農協の生産物品評会=世代交代で品質向上=挑戦精神は交代、後退?

ニッケイ新聞 2012年10月23日付け

 【らぷらた報知10月18日】日系農業団体協議会主催の第24回生産物品評会の授賞式が、去る13日(土)17時過ぎより、エスコバールの花祭り会場第4別棟で行われた。長沼智之領事、山本フアン・カルロスJICA次長、花祭りの広瀬哲哉委員長夫人をはじめ、日農協会員、同業者、花祭り訪問者などの参加があった。
 この品評会の審査は今回、専門家だけでなく、消費者サイドからも加えたので、新しい品種だけでなく、こういう花が買いたいとか品質面の評価が加わったものになった。
 出品者や受賞者の名前を見ると、全体的に二世や三世に世代交代しているのが分かる。それを大別して、父の後を継ぐ、つまり父子直伝と、グループで仕事する人達も出ている。
 今回、新品種は少なかった。事情を知る人によると、一応、花卉栽培の先進国(たとえばブラジルなど)で成功しているものを参考にして取組めば、当て外れが少ないので、あえて新品種に挑戦する人が少なくなった。
 こういうことは、戦前の野菜栽培、花卉栽培、洗濯業でも同じことがいえる。さらに、今度の品評会には野菜の出品がなかった。今までは、野菜生産の季節的なずれから出品が少なかったが、今では事情が違う。親の時代から子供に経営が移ると、直接生産に取組むよりも頭を痛めることが少ない、販売中心に重心を移しているとか。
 授賞式では、柏木光男会長から「一年を通して、生産者にとって悪天候が続いた。花の品質面では向上したが、販売面になると天候が後押ししてくれず、低調だった。むしろ野菜、たとえばトマトの方が値段がよく、よく売れたということになった」と挨拶。
 さらに、山本JICA次長は、「JICAの方では支援プログラムによって、日系社会の花卉業界の生産者たちのために新品種の紹介、品質向上に努めてきた。エスコバールの花祭りも、来年は50回目という節目を迎える」とこれまでを振り返った。
 最後に長沼領事より「どれも素晴らしい出来栄え。長い花作りの歴史があり、品評会も継続しているとのこと。大切なことである。花は生き物で、いろいろ国難を乗り越えて栽培しておられる。そういう中で、子供育てるように尽くし、花々はそれに報いるように咲いてくれる。楽しい、穏やかな気持を与えてくれる。敬意を表したい」と祝辞があり、授賞に移った。
 各部門の受賞者は次の通り。▼切花(A)ガーベラ=①脇田K、畑中J・JICA杯②西田カツミ③脇田K、畑中J(B)アルストロメリア①脇田K、畑中J②Nobyhatsu、永橋③脇田K、畑中J(C)バラ①畑中アドリアン②志村正敏③宮脇ホセー(D)その他の種目①デルフィニウム今西セルヒオ②ユリ脇田K、畑中J③デルフィニウム今西セルヒオ
▼Plantine①ぺトゥニア柏木光男・大使杯②ペトゥニア山本カルロス③柏木光男◎他の種目①ロベリア山本カルロス②ベゴニア山本カルロス③Alegri delHogar海蔵寺ハビエル◎鉢物苗①ペラルゴニウム広瀬アグスティン日農協杯②ベゴニア玉置アルフレッド③マルボン野村ギジェルモ

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