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上野さん菓子職人(パティシエ)世界一=25歳未満世界大会で優勝=聖市=ジウマ大統領も会場に=「胸張って日本帰れる」

ニッケイ新聞 2012年11月17日付け

 聖市のアニェンビー国際展示場で14、15日に開催された25歳未満の製菓技術コンクール(世界洋菓子連盟=UIPCG=主催)で、日本代表として出場した上野実里菜(みりな)さん(22、長野)=新潟県在住=が見事優勝を果たした。昨年ロンドンで開かれたジュニアの世界技能コンクールでも金賞を受賞しており、優勝候補と評されていた上野さんは取材に対し、「周りの人の後押しがあって、経験になればと思って出場した。緊張してプレッシャーだったけど(優勝できて)ほっとした。胸を張って日本に帰れます」と嬉しそうに話した。

 世界大会には同連盟に加盟する8カ国で選抜された14人が出場した。大半がヨーロッパ出身者で、アジア圏は日本と台湾のみの中、本場のなみいる強豪を制した。14人の選手は14、15日の2日間、広い会場の一部に設けられた一人ひとりに用意されたガラス張りの調理場で、一日8時間作業に徹した。
 それぞれ皿盛りデザート、チョコレート5種、アイスクリーム、ホールケーキ、飴細工などを製作し、作品の完成度(味、見た目)、作業の丁寧さや作品のテーマ性、調理場の整頓具合や清潔さなど衛生面なども重視された。
 上野さんが設定した作品のテーマは「自然の恵み」。「一番自信があった」という飴細工には故郷長野県が産地のリンゴや木の葉、頂点にはハチドリをかたどった飾りで仕上げ、美しくバランスの取れた色遣いが目を引いた。
 1日目は機械のトラブルで作業時間が短くなり、終了時間間際になってアイスクリームの飾りが取れるなどのアクシデントにも見舞われたが、無事に全て完成させ、終了後は安堵した表情で涙を浮かべていた。
 2日目の午後4時半に完成し、展示された作品群に、通りがかった人々はため息を漏らしながら目を留め、調理場から出てきた上野さんに写真撮影を求める場面などもみられた。
 今大会出場に当たって上野さんのコーチを務めた熊谷南菜さん(25、新潟)は、固唾を飲んでガラス越しに上野さんの作業を見守った。「技術面は各国そこまで差がなくなってきているが、常に掃除をしながら作業をしたという、我々にとっては当たり前のことが特に評価されたようです」と審査を評する。
 中学生の時にパティシエを志したという上野さんの将来の夢は、自分の店を持つこと。「コンクールでやることもお菓子屋でやることも同じ。衛生面に気をつけることや時間を守って商品を作ることなど、ここで求められたことを頭において仕事をし、後輩に希望を与えられる存在になりたい」と夢を語った。「にいがた製菓・調理師専門学校えぷろん」を卒業し、現在は同学校で助手を務めている。
 世界大会は1982年から隔年で、連盟加盟国の各都市で若い製菓技術者(パティシエ)の技術向上と国際交流を目的に開かれている。上野さんは3月に行われた全日本洋菓子工業会主催で開かれた国内予選を突破し、大会出場権を得た。
 この世界大会は、職業訓練を行う政府系機関のSENAI、SESIが主催して、14〜17日まで聖市のアニェンビー展示場で開かれていた60分野(工学、建築、サービス、美容など)の技師が能力を競う「第7回技能オリンピック」(Olimpiada do conhecimento)の一部。
 このオリンピックには全伯各地、国外から約700人が参加し、決められた時間内にそれぞれの課題をこなし、技能を競った。開会式にはルーラ前大統領、14日にはジウマ大統領も姿を見せたという。

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