ホーム | 日系社会ニュース | 「新葡萄酒は新しい革袋に」=汎アマゾニア日伯協会会長 生田勇治

「新葡萄酒は新しい革袋に」=汎アマゾニア日伯協会会長 生田勇治

ニッケイ新聞 2013年1月1日付け

 雨季のアマゾン地方から、ニッケイ新聞を通して皆様方へ新年のご挨拶を申し上げます。
 当地では12月の末頃より5月の初旬頃までが長い雨季の季節となります。日本の16倍はあるアマゾン地方ですから、この雨季の時期も西の方の奥アマゾンとでは多少違ってきますが。当日伯協会も、この時期は充電期間に充て活動はもっぱら乾季の時期に集中しています。
 昨年度は、辰年のイメージにふさわしく日伯協会も活発な事業を展開できた一年でした。当日伯協会の所在地であるパラー州内には、3万5千人ほどの日系社会が存在します。アマゾン地方全域で、5万人と言われている事からその70%がここパラー州に集結している事となります。
 私どもの協会は、パラー州、マラニョン州、アマパー州、ピアウイ州の4州内各市町村に存在する18の地方日伯協会を束ねる連合体の親的組織です。
 当地一世層の高齢化から、当協会でもそうですがこれら各地方の日伯協会では急速に世代交代が行われています。新しい世代の勃興とともに価値観も変化して行き、日系組織の存在目的も設立当初から大分軌道修正されて行くようです。
 これは、当然と言えば当然の現象でしょう。その時代、時代に則した事業を展開する事によって組織の存在価値も有る訳ですから。「新しいぶどう酒は新しい革袋に入れるべきである」と聖書の中の有名な一節がありますが、新しい事業や理想を実践するソフトには、それに適したハードが必要と言うことでしょうか。とはいえ、日本文化や普及教育、人材育成等組織の基本的な事業は新しい世代にもしっかりと引き継いで貰わねばなりません。
 ともすれば、日々の雑務処理や運営費捻出にばかりウエートを置いた組織運営となりがちですが、これからの10年、20年、30年先をしっかりと見据えたビジョンを明確にしながら物事に対処してゆく事が、私達協会役員に課せられた使命かもしれません。
 「老兵は死なず。ただ消え去るのみ」(Old soldiers never die, they just fate a way)。この言葉をいつも胸に、今年も精一杯努力してゆきたいと思います。

image_print

こちらの記事もどうぞ