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NIATRE事業継続へ=〃起死回生〃年末に予算解禁=一年運営も7万レの借金

ニッケイ新聞 2013年2月23日

 【既報関連】労働雇用省の事業として2011年1月に開所した帰伯労働者情報支援センター(NIATRE)は昨年末、同省から1年間の事業資金が下りないために閉鎖の危機にあったが、その後、年が変わる直前になって予算が下り、今後15カ月は引き続き運営される見込みとなったことがニッケイ新聞の取材でわかった。ただ、待機期の経費7万レアルが負債として残り、関係者は頭を悩ませている。
 事業を委託しているISEC(文化教育連帯学会)の吉岡黎明会長は、2013年まで約一週間に迫った折、本紙の電話取材に対して「多くの元デカセギ労働者が相談に来ているし、閉めるわけには行かない。自分には責任がある。自腹も切る覚悟」と語り、閉鎖はほぼ必至とみられていた。
 労働省とISECは2010年12月に契約を締結、翌年1月からの10カ月間で2千件近くの相談を受け付けたことから、さらに2年(2014年1月まで)の運営が決まっていた。
 吉岡氏によれば、継続のための手続きはほぼ終え、後は大臣のサインを残すのみとなっていたが、そこから状況が変わらず、下りるはずの補助金は下りないままだった。そのため従業員を削減したり、文協に家賃の値下げを依頼したりして1年間運営してきたが、結果として7万レアルの負債を抱えてしまった。
 「このままではどうしようもないので、もう閉めるという旨のメールを年末に出した」(吉岡氏)ところ、年の瀬が迫った12月28日になって、担当者から「労働大臣の承認が下りた」とメール連絡が入った。
 銀行口座に振り込まれた予算は、1カ月約1万レアルの15カ月分。この資金で職員も3人に戻し、これまで通り運営を行っているが、法的に負債の補填に充てることはできず、返済すべき借金が残る形となった。
 吉岡氏は、リッファの実施や個人的なツテを利用するなどして、返済する手立てを考えているようだ。15日にあったブラジル日本商工会議所の定例昼食会の席でも、出席者に支援を呼びかけていた。
 なぜ1年も補助金が下りなかったのか。吉岡氏はその原因について、「政府、特に労働省は官僚制度が根強く、わいろも多い。だから特に厳しく、時間がかかったのでは」とみている。

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