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日系3人目の部長職に就任=サンパウロ州市警 中村ミノル氏=「再びコロニアとの繋がりを」

ニッケイ新聞 2013年3月14日

 中村ミノル・エジソン(55、三世)さんが昨月2日、サンパウロ州市警の情報部長に就任した。日系人の部長クラス就任は、退任したミヤケ・チョージさん、現役の佐藤エリザベッチさん(人身保護課)に続き3人目。
 情報部とは、情報の収集・分析・伝達等を司る、本部に直属する最重要機関の一つ。ほかにも直属機関が21あり、いずれもサンパウロ州市警の警部クラス3500人の中からトップが選ばれる。
 中村部長は「とても光栄だが、責任の重い部署。常に最良の仕事が出来るよう努め、複雑な事件の捜査における機動性を高めたい」と意気込んだ。
 また、同市警が度重なる汚職事件等でイメージを悪化させたことに触れ、「現在、サンパウロ州市警は新たな理念を掲げて組織内の悪人を一掃している。まもなく、かつてのイメージを取り戻すことができるはず」とも。
 サンパウロ州サント・アナスタシオ市生まれ。両親は幼い頃に離婚し、二世の母エイコさんの手で育てられた。野菜栽培に従事していたが、1976年18歳で市警捜査官に。88年に首席で警部試験に合格、プレジデンテ・プルデンテやオズワルド・クルス市などサンパウロ州西部を中心に職務にあたった。最後の職務はリベイラ区の地域局長。警察学校で教鞭も振るう。
 幼少期は日本語学校に通い、運動会など文化行事にも参加していたが、市警に就職して以来、コロニアとは縁遠くなっていたという。「百姓の子が出世し、母は誇りに思っているに違いない。これから、コロニアとのつながりも回復していければ」と話した。

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