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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年6月8日

 「深海を語れなければ、地球は語れませんよ」。独立行政法人・JAMSTECの研究者、藤倉克則さんの言葉だ。
 世界一周調査を継続中の潜水艦「しんかい6500」を運営する同機構。話を聞くと「地球の7割は海でその平均水深は3800m。深海の定義は水深200mからだから、地球の大部分は深海が占める」とのこと。
 しかし、実際にかけられている費用は「宇宙開発費に比べれば微々たるもの」。今回の調査にも特別な補助は下りておらず「今年の調査予算枠はこれですっからかん」だとか。ブラジル周辺地帯への潜航は世界初で、ある意味「宇宙より未知」であるにも関わらず、だ。
 地球の外の調査もよいが、やはり地球自体を知らずしてでは本末転倒になりかねない。深海には、さらなる研究を行うだけの価値と、宇宙にも負けないロマンがあるはずだ。(酒)

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