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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年10月19日

 米財政の危うさは今に始まったことではないが、もうちょっとで国債がデフォルト(債務不履行)しそうな事態に追い込まれていた。あの世界の警察を以て任じるアメリカも借金大国であり、財政は決して楽ではない。先の17日は、連邦債務が16・7兆ドル(約1640兆円)の法定上限に達しており、上下院の承認を得て新しい法的な仕組みを作らないと大変な騒ぎになるところだった▼もしーこのような事態になれば、アメリカは言うまでもなく、世界の経済はパニックに陥る危険があり、IMFをはじめ日本なども懸念を表明していたが、こうしたこともあって議会も16日になってやっと連邦債務の引き上げを支持すると可決したけれども、それは来年の2月までの条件がついており、抜本的な解決とは遠い▼予算も来年1月までの暫定予算が決まり、政府の機能停止も解除されたが、政治の先行きは厳しい。「小さな政府」を掲げ、財政赤字削減を叫ぶ野党の共和党は、社会政策を重視する民主党とは基本的には真っ向から対立する。オバマ大統領の政策についても、共和党の強硬派は反発しているし、よほどの名案でもなければ、民主と共和とが、しっかりと握手するのは難しい▼この二つの難問が一応の解決を見たのでNY株式は暴騰したけれども、来年の議会が順調に進むという保証はできないのではないか。連邦債務上限に達するときや暫定予算切れになったときには、与野党の対立は鋭く深くなると見たい。来秋は中間選挙もあるし、アメリカの政界は激しく揉み合う舞台を繰り広げる—そんな観測がしきりである。(遯)

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