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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2014年1月4日

 今年は午年。安倍晋三首相もその一人であり只今58歳の男盛り。総理総裁を長く務めた小泉純一郎氏の息子さんは映画俳優の孝太郎であり、絵がとっても人気の片岡鶴太郎もだし、スケートの浅田真央選手と駿馬がいっぱい揃い多士済々なのである。こうした著名人が多いのを喜んでのことか日銀の黒田総裁も「平成14年度の経済は順風満帆」と太鼓判を押し、アベノミクス万歳を高々と叫ぶ▼20年近くも続いたデフレの影響で日本の機関車とされる高度経済成長に歯止めが掛り極端な円高に陥り輸出産業は青息吐息。この苦境から脱し、繁栄の日本を取り戻せの目標を掲げたのが、アベノミクスの主柱だし、日銀総裁に黒田氏を登用したのも、首相の決断であり、その大胆な金融緩和策は見事なばかりの大きな花を咲かせている。一時は1ドルが80円にもなり、財界首脳らは「日本が破産する」と苦悩し警告を発したりもした▼今や円は105円にもなり、悲鳴を上げていた自動車産業も、やっとひと息ついて工場で働く人々にも笑顔が見られるようになってきた。年間に1千万台も生産するトヨタも近頃は「嬉しい悲鳴」を上げ、最大の輸入国であるアメリカは渋い顔でいるらしい。尤も、日本の自動車会社にも好不況はあるらしく、日産は仏のルノー社に身売りのようだし、トヨタやホンダ、スズキのような健全経営ばかりではないのも否定できない。だが、全体的に見れば「成功」と見たい。こんな繁栄と安定が末永く続くようにと祈りたい。(遯)

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