ホーム | 日系社会ニュース | 文協=史料館で障害者観覧対策実施=3社から40万レ寄付受ける=ルアネー法で免税団体通し

文協=史料館で障害者観覧対策実施=3社から40万レ寄付受ける=ルアネー法で免税団体通し

ニッケイ新聞 2014年1月17日
史料館9階(ブラジル日本移民史料館ホームページより)

史料館9階(ブラジル日本移民史料館ホームページより)

三井住友銀行、ヤクルト、サクラら3社から合計40万レアルの寄付を受け、ブラジル日本移民史料館(森口イグナシオ運営委員長)は15日、身体障害者の観覧容易化対策として、2月にも8階と9階をつなぐエレベーター設置工事を行うことを、文協で発表した。

移民史料館を訪れる高齢者や車椅子等の身障者の来館者が、エレベーターのない9階の展示室の見学をあきらめて帰ってしまうことから、なんとか障害者用の通用路設置を実現したいと運営委員会のなかで以前から話合われていた。

同運営委員会の副委員長に、OSCIP(免税口座団体)である日伯文化社会統合協会の西尾義弘ロベルト会長も入っていることから、同統合協会を通してルアネー法申請をする案が生まれた。昨年末に申請許可が出たため、急きょ企業まわりをし、前述3社が協力に応じた。

プロジェクト費用の予算は40万レアルで、エレベーター設置以外にも、視聴覚障害者のための点字やタブレット式オーディオ解説設備導入、展示資料の詳細な解説書の制作等が含まれている。

山下リジア副委員長によれば、大塚実氏の寄付金による文協ビルの改修工事に関して、27日には施工会社4社からの改装費用見積もりが揃う。28日から30日の間に開かれる改装委員会で、そこから1社を決定する。2月初旬に史料館3階部分の文協ビル改修工事がはじまる予定だという。同運営委員会では、施工業者が決定し次第、エレベーターの設置工事についても同じ業者に依頼する意向だという。

3月に寄付した3社の代表者を招き、会見を開く予定とのこと。森口委員長は、「そのときに、新しいエレベーターのイナウグラソンも兼ねた式典にしたい」との意向を示している。ただし、他の委員からは「そんなに早くは難しいのでは」との声もある。

同移民史料館は78年に開館して以来、1997年に9階を増設し、その後に同階展示を改修したこと以外、大きな改装や展示の変更はしたことがなかった。

image_print