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大阪なにわ会=現会館の賃貸を決断=規模縮小し新会館に移転へ=「次世代に渡す準備として」

ニッケイ新聞 2014年3月21日
右より下平尾会長、松岡第二副会長、山本第一副会長

右より下平尾会長、松岡第二副会長、山本第一副会長

大阪なにわ会(下平尾哲男会長)は16日午後に同会館で総会を開き、兼ねてから懸案事項であった会館の第三者への賃貸の件について話し合った。メトロ駅すぐ近くという好立地で、大講堂も備えていることから、次世代をみすえて有効に活用するための議論が以前から行なわれていた。約30人が出席し、会の今後について熱心に話し合った。

開会の辞後に先没者に1分間の黙祷が捧げられ、予定されていた昨年度事業報告の前に、下平尾会長から会館賃貸に関する報告として、「現在は経済的な問題は何もないが、行く先も磐石とは言えない。益々の発展と、代替わりした後の次世代の為に、その準備として会館を第三者に賃貸する事と決めた」との話が飛び出した。

以前よりささやかれていたが、会員達の関心もこの件に集中していたようで、それから白熱した質疑応答が繰り返された。移転先の新会館(候補地サンタクルス駅周辺)にも議論は向けられ、移転や改修にかかる費用の捻出、事業縮小化なども心配された。

しかし、下平尾会長は「金銭的な面に関しては何も心配する事はない。事業に関してもカラオケ大会などへの会館の貸し出しは出来ない規模だが、会員が今まで通り使う事には何の問題もない」との説明があった。

同会館は下平尾会長の父である初代会長、故・数行氏が、私財を投じて建設にこぎ着けた思い出深い建物。この決断は会としても苦汁のものであろうが、「父は会の発足、会館の落成に全精力を捧げた。会館を継続して使う事も大切だが、会の継続が最重要事項、父の遺志を継いで行きたい」と会長が語ると会場から拍手が起きた。

なお会館の賃貸は決定事項であるが、その具体的な予定期日は全くの未定。新会館に移転後、現会館の事業を全て移す。下平尾会長は「5年先、10年先になるかもしれない」とした。

その他、昨年の会計報告では収入18万6180レ、支出15万5549レ、3万631レが繰り越された。その他、昨年の事業報告、本年度事業計画が説明され、承認を受けた。

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