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アマゾニア日伯援護協会創立50周年記念祝辞=公益財団法人 日本国際協力財団 理事長 神内 良一

神内良一理事長

神内良一理事長

 アマゾニア日伯援護協会が今年創立50周年を迎えられますこと、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
 アマゾニア日伯援護協会と私とのご縁は、今を去ること24年前からになります。アマゾニアに移住された日系人のご苦労を知り、少しでもお役に立ちたいとの想いから援護協会に福祉基金の設立と病院の建設資金を寄贈したのがご縁の始まりでした。
 しかし、2000年の病院の増築や、規模、運営方針を巡り、多くの課題が生じ、多難な時代を迎えたこともあり、その後、私との関係は一時希薄となりました。ただ、こうした苦難の時代にあっても本協会の一貫したバックボーンは、日系人の恵まれないお年寄りにより良い医療サービスの提供であったとお聞きしています。暖かなボランティア精神と医療従事者としての使命とを忘れることなく、経営上での幾多の困難を克服され、1965年の創立より今日の50周年を迎えるに至りました。
 昨年の8月に八十島会長と生田監事長との訪問を受けました。生田さんとは、実に24年ぶりの再会でした。ここ数年の本協会の変貌ぶりは目覚ましく、医療保険会社との提携や、新たな病院棟の建設が可能なまでに発展して来られました。
 特に、未だ週の半分近くをはるばる遠方まで援協のボランティア医師として、医療奉仕活動を継続されておられる八十島、生田両医師の姿勢にはたいへん感銘を受けました。医療と経営とのバランスは難しいものですが、難局を克服されてきたことは、役職員一丸となってのご努力の賜物であろうと考えています。 又、新病棟には私の名を附けたいとのお申し出を戴きました。私の支援は、「貧者の一灯」であり、顕名はなるべく避けておりましたが、こうした事情をお聞きし、有難く承諾させて戴きました。
 私の財団では、世界の恵まれない方々に様々な形でご支援を実施しておりますが、とりわけ医療は、人の命を預かる神聖で崇高な行為であると考えています。創立50年を迎えられたアマゾニア日伯援護協会が恵まれない人々の命の救済という理念を常に念頭に置き、これを実践し、ブラジルの地域社会に多大な貢献をされたこれまでの実績は、ご支援した出捐者の一人として、これに勝る喜びはありません。恵まれぬ方々はまだまだ大勢いらっしゃいますし、病に悩む人々はこれからも増えて参ります。
 50周年を一つの通過点として、今後、アマゾニア日伯援護協会が一層ご発展し、更なる貢献をされますことを祈念し、私の祝辞と致します

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