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魑魅魍魎が巣くうPMDB

エドゥアルド・クーニャ下院議長(Foto: Antonio Cruz/Agência Brasil)

エドゥアルド・クーニャ下院議長(Foto: Antonio Cruz/Agência Brasil)

 今の政局を動かす〃台風の目〃はクーニャ下院議長(PMDB、56)だ。同議長からやられっぱなしの大統領側からの反撃のように連邦検察庁のジャノー長官が先週、ラヴァ・ジャット作戦で同議長と一緒にコーロル元大統領を起訴したのには因縁を感じた▼クーニャ氏が本格的に政治に足を踏み入れたのは、コーロル氏の大統領選(1989年)を手伝った時だったからだ。当選後にコーロル氏は弱冠33歳のクーニャ氏をリオ州電話公社総裁に抜擢し、以来、コーロル氏のリオ選挙事務所会計役を30年弱続ける深い関係が両氏にはあるという▼同議長を支持する気はサラサラないが、FGTS(勤務年限保障基金、フンド・デ・ガランチア)の預金利率を今後4年かけて6%に上げる法案を、彼が主導して可決させた豪腕は素直にほめたい▼今までの同年利はわずか3%プラスTR(Taxa Referencial、補正比率)だった。今年10%に達しそうな高インフレ下ではどんどん目減りするだけ。労働者は解雇された時しか使えない失業保険のような基金だが、連邦政府には巨額の政策費用を捻出する〃打ち出の小槌〃のような便利な存在だった▼クーニャ氏が刑事告発されそうな形勢から、党同僚のテメル副大統領が政党間調整責任者を降りることになった。これは政権の政局管理能力が弱まることを意味する。大統領罷免の準備とも見られ、ジウマを見限ったPMDBがPSDBとよりを戻すとの話まで▼その一方、同党のレナン上院議長は大統領に接近中だ。下院が造反するのと好対照をなす不可解な状況だ。統一性のない魑魅魍魎ぶりこそが同党の特徴? (深)

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