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老人に席譲るブラジルの地下鉄

 ブラジルで感心させられるのが、老人に席を譲る人の多さだ。腰の曲がった老人が地下鉄に乗り込めば「こちらへどうぞ」と2、3人から声がかかり手を差し出される。こんな風に大切にされるのなら、年をとるのも悪くないなと思う。
 その半面、強盗被害に遭ったという老人の話を頻繁に聞く。コラム子の知り合いは計10回も強盗に遭い、財布を渡そうとしなかった時は、ボコボコに殴られたとか。
 かつて敬老精神が強いといわれた日本。今では電車に高齢者用のシルバーシートがあるが、高齢者も若者も遠慮があるのか、当地ほど席を譲る光景は見られない。日本の病院に老人が集まるのは、医者以外に話し相手がいなくて寂しいからとも聞いた。
 治安は良いがコミュニケーション不足になりがちな日本と、治安は悪いが老人を大事にする習慣が残る当地。高齢者にはどちらが幸せ? (将)

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