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加齢と共に考えるべき事

 このところ、加齢やその影響などについて考えさせられる出来事が続く▼会館の行事にいつも来ていた男性が姿を見せなくなり、久しぶりに来た時は体調がよくない事が即座に見てとれた。主人や近所の友人は、「足が弱くなった」などの理由で外に出たがらなくなった。高齢者ケアを手伝っていた時、カーペットは躓いて骨を折る原因になると聞いたし、エレベーターと床の段差で躓き、複雑骨折した人も知っている▼輪をかけたのは、天皇陛下の「お気持ち」を伝えるビデオだ。84歳でなお、1年の3分の2は公務が入る生活は楽ではない。また、昭和天皇の大量吐血以降、ほぼ5カ月続いた自粛ムードなどを念頭に置かれ、ご自分の健康が深刻な状態に陥れば社会が停滞し、国民の生活にも様々な影響が及ぶ事を案じておられた。葬儀までの2カ月弱、遺体を安置して別れを惜しむ殯の行事と新時代の行事が同時進行し、残された家族の負担が重い事も「非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません」と語られた▼国民は「東京五輪に重なる事を心配しておられるのでは」「生前退位に反対する人がいるのが信じられない」などと反応した。生前退位は現行憲法や政治制度の想定外で、法整備も含めた細かい制度設計を行う必要があると言うが、激動の時代を生きた昭和天皇の心労などをつぶさに見てこられた陛下故の「お気持ち」表明には、心動かされた人も多いようだ▼法改定などを必要とする生前退位を提唱された事を、政治への不介入を謳う憲法への違反行為という人もいると聞く。だが、自然の営みの中で起こりうる事を鑑み、案ずるお姿に真摯な気持ちで応えるべきではと思わされる。(み)

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