中央開発株式会社(CKC、山口達朗所長)などによる『第6回南米婦人の集い』が先月15、16の両日、サンパウロ州レジストロで行われた。バイーア、サンタカタリーナなど国内各地ほか、パラグァイからも婦人団体が集まり、約70人が交流を深めた。(國分雪月記者)
各地婦人会の連携強化を狙うこの事業。今年の集いはアルゼンチン、ボリビアの参加が見送られたこともあって、開催地レジストロの「村おこし」に重点が置かれた。グリーン・ツーリズム(農業観光)などの観点から、同地の魅力を見つけ出した。
レジストロを除く各地の婦人が15日、サンパウロ市の宮城県人会で行われた恒例のフェイラ『青葉祭り』に参加、午前5時から準備を始め手作り料理や工芸品の販売に精を出した。
同フェイラは農協婦人部連合会(ADESC)の主戦場でもある。彼女らの精力的な活動に、各地婦人らは「とてもパワーがあり見習いたい」と感嘆した様子。その後9時半頃に販売を終え、バスで東洋街を出発した。
途中の渋滞により30分遅れて同地に到着した一行は、滞在予定のホテル前で待っていたADESCの一員、滝井孝子さん=レジストロ在住=らと合流、一部は再会に「たかちゃん!久しぶり!」と熱い抱擁を交わした。
市内視察では最初に、SESC(商業社会サービス=民間の文化・スポーツ振興団体)となったリベイラ河沿岸の移民史料館に向かった。同市観光課長である清水武ルーベンスさん(74、二世)の案内で施設内を見学した。
SESC内では子供から高齢者までが卓球や絵画などの活動を楽しんでおり、歴史的建築物の活気に満ちた様子に参加者も顔を綻ばせた。
建物横の元中央市場は工芸品市場となり、アルテ・ダ・テーハ協会が昨年11月から、ボランティアとして市場内の工芸品を販売・管理している。バナナチップや水牛のチーズなど、食料品の売り上げが多いそうだ。
日本人移民ゆかりの地を訪れ、参加者の三好信子さん(75、岡山)は「昔の面影が見られ、懐かしく感じる。また、子どもが遊ぶ施設を作れば、犯罪に関わる機会が減り治安が良くなる。治安が良くなれば人が集まる」と、元移民史料館が有効利用されていることを喜んだ。
工芸品市場を後にし、い草の草履を生産する野口工場へ。野口セルジオ工場長(52、三世)によれば、月に6千~1万5千対の草履を5人で生産するほか、い草の枕なども生産・販売している。
日本の伝統的な履物工場に入った婦人らは「懐かしい匂いがする」と見学し、野口さんを質問攻めにした。
市内ヴィラ・トゥピ区の文協会館では午後6時、開会を記念した夕食会が開かれた。
福澤一興文協会長はあいさつで、「コロニアの崩れ始めを感じる今、文協として『村おこし』のお手伝いをしたい。この活動で農村、さらにコロニア活性も期待している」と集いでの成果に期待をよせた。(つづく、以降6面で掲載)