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ピザ屋の灰を洗って茶道の風炉に

 湯を沸かすための茶道の道具「風炉」には、灰と炭が入っている。日本では茶道用「灰」が販売されているが伯国にはない。茶道用「灰」とは、混入されているゴミ類や燃えカスをとるために水に沈めて「あく抜き」したもの。「灰を洗う」こと自体、一般人には想像しがたいこだわりだ。
 当地では灰を作る業者がいないため、ある伯人は「ピザ屋から灰を貰って何度も洗い、手入れを重ねて茶道用の灰を作った」という。話だけ聞くと、どこかチーズの匂いがしそうだ。
 「それを見れば、茶道への想いがわかる」といわれる大事な灰。林代表によると、その伯人が作った灰は「本当にキラキラ輝いていて素晴らしい灰」とのこと。
 「無いなら作れば良い」という伯人らしい柔軟な発想と、お茶への情熱で、完璧な道具が出来上がった例だ。当国に強く根付く日本文化の実例を、また一つ見ることができた。(雪)

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