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琉球語が聞けるのは沖縄よりブラジル?

 スザノの沖縄県人会支部で婦人らが雑談しているのを聞いて、新来のコラム子はポ語で会話しているものかと思った。だが、それにしてはどうも聞きなれない。不思議そうにしていると、そのうちの一人、小波津静子さん(83、沖縄県)に「何を話しているか分かりますか?」と尋ねられた。
 彼女たちが話していたのはうちなーぐち、琉球語だった。日本語とは全く違う感じだ。戦後移民の小波津さんは、「出航前の神戸で、子どもたちが話しているのを聞いた地元の人から『英語が上手ね』と言われた」と笑いながら話す。
 沖縄県ですらあまり話されなくなっている琉球語を、まさか当地で聞くことになるとは。沖縄タイムスや琉球新報などの地元紙が、「明治の沖縄がブラジルにある」と報じていると聞き、移民史の奥深さを強く感じた。(陸)

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