10日朝、連警や軍警などが、ゴイアス州を含む5州と連邦直轄区で、高価な積荷を盗んで稼ぐ犯罪組織を摘発するための「ヒクソス作戦Ⅱ」が行われ、企業家や政治家からなる犯罪グループが検挙されたと同日付現地紙サイトが報じた。
「ヒクソス作戦Ⅰ」は2月22日に敢行され、盗まれた積荷を買い取って転売していた、ゴイアス州と連邦直轄区の企業家ら37人が逮捕された。逮捕された企業家はスーパー、食品や飲料の配送会社、ガソリンスタンドの所有者で、半額で買い取った盗品を自分の店などで転売していた。
連警はこの時点で、積荷を盗んで企業家に売っていた犯罪集団は、儲けた金で麻薬売買を行ったり、車を盗んだりといった犯罪にも手を染めていた事も掴んでいた。
今回のヒクソス作戦Ⅱでは捜査対象が更に拡大し、ゴイアス州と連邦直轄区、ミナス・ジェライス州、パラー州、サンタカタリーナ州、マット・グロッソ州で、逮捕令状40件を含む、計91件の令状が出された。
10日に逮捕された1人は、ゴアイニアのスーパー店主で、盗品である事を知りつつ、商品を受け取り、自分の店で転売していた。店主の自宅からは高級車4台が押収されたという。
また、ミナス州ブリチス市の市議の代理人は、偽の身分証明書を使い、犯罪組織のための資金洗浄を行っていたという。警察によると、この代理人は特別な資産を申告していないが、その生活は贅沢三昧だったという。
今回の作戦は、武器や監査官の制服、サイレンもつけた車などを使い、偽の検問まで行って積荷強盗を繰り返していた犯罪者と、盗品買取でその活動を支援していた企業家や政治家の摘発が目的で、連邦警察、連邦道路警察、軍警、ゴイアス州検察局が参加。逮捕令状40件を含む、計91件の令状が出て、450人の警官が家宅捜索などを行った。
逮捕者らの容疑は、強盗、軟禁、資金洗浄、犯罪組織形成、麻薬密売、盗品受理などだ。なお、容疑者の1人は英国に逃亡中で、英国や国際警察にも協力が要請された。