ホーム | コラム | 大耳小耳 | 大耳小耳

大耳小耳

 椰子樹社(多田邦治代表)の短歌誌『椰子樹』375号が12月に刊行された。旅先のポルトガルを詠んだ《旅好きは移民の業か老いづきていまだ憧る未知なる土地に》《異国とは思えず何か懐かしきリスボン旧街そぞろ歩きぬ》(小池みさ子)、《今日もまたニッケイ新聞短歌俳句に励まされ吾は生かされて》(横沢幸子)、《名政治家出でてこの国建て直し腐敗政治に終止符を打て》(藤田朝日子)。最後まで愛する伯国への檄を忘れなかった藤田さんは、1月4日に老衰で逝去。一連の句の題名は奇しくも「終止符を打て」…。《八十を越えたる今日の散策の道辺の椰子は熟れ実をこぼす》(杉田征子)を読んではっとさせられた。今年はまさに『椰子樹』創刊80周年、その「実が熟れ」た様子を詠ったように思える作品。

image_print

こちらの記事もどうぞ

  • 大耳小耳2017年5月20日 大耳小耳  柳誌『ぶらじる川柳』(ぶらじる川柳社)が213号を5月に発行した。《テーメルさん何とかしてよこの不況》(中山哲弥)と大統領に頼む作品を目にした日、皮肉なことにその本人が一番の苦境に立たされていた(詳細2面)。《冷蔵庫前にたたずみはて!なにを》(久保久子)を読んで、「私も、私も […]
  • 大耳小耳2018年11月6日 大耳小耳  在聖総領事館の邦人被害情報によると、10月28日午後2時ごろ、聖市の東洋街にほど違いドットル・ジョアン・メンデス広場付近の路上で、邦人が携帯を引ったくられる事件があった。被害者はレストランで食事後、店内でタクシーを呼んだ。タクシー到着後に手に携帯を持ったまま店の外にでたところ […]
  • 大耳小耳2018年11月1日 大耳小耳  在聖総領事館の安全情報メールによれば、26日(金)正午ごろ、邦人が乗車する車輌が強盗被害に遭う事件が発生した。場所は、リベルダーデ区の下町グリセーリョ街498番の交差点付近。ラジアル・レステ街道の下の交差点で、信号待ち停車していたところ、強盗一人が路肩から現れ、鈍器のような物 […]
  • 大耳小耳2018年10月30日 大耳小耳  歌誌『椰子樹』378号が9月に発行された。 《眞子様の御来場待ちて早朝より超満員なる日本祭》(阿部玲子)も7月の慶事を偲ぶ作品。《店先に華やぎ競う花よりも歩道割れ目の月草ぞ好し》(住谷久)は庶民派の作品だ。映画女優は派手で美しいが、一緒に住むには、自分の好みをよく知っている […]
  • 大耳小耳2018年10月27日 大耳小耳  熟年クラブ連合会が発行する『ブラジル老荘の友』は、タブロイド版4ページだが中身が濃い。炭坑節の替え歌《うちの娘は よその嫁 ヨイヨイ/よその娘がうちの嫁 三千世界を歩いても/死に水とるのはうちの嫁 サノヨイヨイ》も傑作だが、チャチャチャ・バンブーの歌(「おもちゃのチャチャチャ […]