ブラジル中銀は7日、2019年の貯蓄預金(ポウパンサ)への預け入れ総額は133億レアルの純増だったと発表。8日付現地紙が報じた。
「純増」とは、預け入れ分から引き落とし分を引いた結果が黒字だったことを意味する。単純な新規預け入れ額はもっと大きいが、引き落とされた分が減額された。
昨年の133億レアルは、18年の383億レアル、17年の171億レアルに続く、3年連続の純増だ。不況の真っ只中だった2015年と16年は、引き落としが預け入れを上回る「純減」だった。
19年は月毎に純減、純増を繰り返したが、若干の景気と雇用の回復により、最終的には預け入れ額が上回った。特に13カ月給が支給された12月は、単月で172億レの純増だった。
ポウパンサの利率は、経済基本金利(Selic)の七掛け+参考金利(TR・現状ではゼロ)で決まる。19年のSelicは前年末から続く6・5%で始まったが、下半期の立て続けの利下げで4・5%に落ちた。
今のポウパンサの年利は3・15%だが、経済関係者による今年の広範囲消費者物価指数(IPCA、公式インフレ率)の予想は3・60%だ。
そのため、今年のポウパンサ預金も、額面こそ増えても、インフレを考慮すれば目減りとなる危険性がある。