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《ブラジル》緊急支援金=支給期間を3カ月間延長=支給額や対象は現行通り

緊急支援金はデジタル口座を使って支給される(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)

 連邦政府が5日、世帯所得が3最低賃金までの家庭向けの緊急支援金支給期間を3カ月間延長すると発表し、そのための大統領令を出したと同日付現地サイトが報じた。
 今年に入ってからの緊急支援金は支給額が150~375レアルに減額された上、受給者も各家庭に1人で、支給額増額や支給対象拡大が望まれていた。だが連邦政府は、一人暮らしの人には月150レアル、家計を支えている女性には月375レアル、それ以外の場合は月250レアルという基準を維持。支給対象も据え置かれた。
 ゲデス経済相は10月までの3カ月間の支給延長とした事について、10月になれば成人人口の全てが少なくとも1回のワクチン接種を受けているはずで、より安全な形で就労できるようになると説明した。
 だが、ワクチン接種が遅れた場合には支給の再延長があり得る事と、年末までに生活扶助(ボルサ・ファミリア)の改革を進める意向も表明。生活扶助は市民省の管轄で、現在は扶助額の見直しなどを行っている。

 なお、今回の緊急支援金の支給期間延長には新たな資金が必要となるため、大統領令と共に202億レアルの特別支出を認める暫定令も出された。今回の特別支出もこれまで同様、歳出上限法の適用外となる。
 経済省は6月に、緊急支援金の支給延長には月90億レアルが必要(3カ月間なら270億レアル)としていたが、連邦議会が今年の支援支給のために認めた400億レアルの残りが約70億レアルあり、202億レアルの特別支出で足りるという。
 緊急支援金は連邦貯蓄銀行が開くデジタル口座を通して支給される。

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