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《ブラジル》オミクロン株で二次感染確認=年末年始の集まりに赤信号=高齢者や持病持ちは要注意

恒例の年越しイベントも感染拡大への懸念の種(Gabriel Monteiro/SECOM)

 【既報関連】ブラジルのオミクロン株感染者が13~14日に2人増え、13人となった。12、13人目は先週帰国した人の家族で二次感染だ。世界保健機関(WHO)は「感染の津波」が起こる前に防疫対策強化をと呼びかけたと13~14日付現地サイトが報じた。
 12、13人目の新変異株感染者は11日に同株感染確認と報じられた米国帰りの女性(45)の父母だ。米国在住の女性はモデルナ社のワクチンを1度受けて帰国したが、6日に発症(発熱と咳)し、新型コロナ感染が判明。その後、新変異株感染が確認された。
 父親は彼女に続いて発症。新型コロナ感染が判明後、13日にオミクロン株への感染が確認された。父娘共、軽症だ。また、無症状だった女性の母親もPCRで新型コロナ感染が判明。ポルト・アレグレ市保健局が14日に3人目の新変異株感染者判明と報じた。同市では3人以外にも5人が判定待ちで、集団感染3件の経過も観察中だ。
 ケイロガ保健相は13日に「現在までに判明した人以外にも新変異株感染者がいるに違いない」と語ったが、同日と翌日の感染者確認となった。また、サンパウロ州バウルーでも南アフリカ諸国からの帰国者を観察中など、新変異株感染確認が続く可能性が高まっている。

 ポルト・アレグレでの例は、南アフリカ諸国からの航空便受け入れを制限するだけでは水際作戦には不十分である事や、オミクロン株の感染力の強さを再確認させた。
 ボルソナロ大統領は、「接種を受けても感染するなら、接種証明義務化は意味がない」とし、接種証明の提示義務化に反対している。だが国内外からは、接種証明の提示義務化や非接種者の解雇などの報道でワクチン接種がより進展していると報告されている。
 オミクロン株は変異の数が多く、ワクチン接種で生じた抗体をすり抜ける可能性があるが、補強接種で中和抗体増量などの報告が続いているし、接種には重症化や死亡例を減らす効果がある。
 13日には、サンパウロ総合大学(USP)がオミクロン株の分離に成功と報じられ、同株の研究が加速化する可能性が生じた。
 ただ、予防接種だけでは新変異株による感染拡大阻止は困難である事はWHOも指摘しており、「感染の津波」で医療崩壊が起きる前に、マスク着用などの防疫対策強化の必要があると強調。
 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)も13日、年末年始の感染拡大防止のため、高齢者や基礎疾患を持つ人を含む集まりは接種完了者のみとし、必要以上の動きは避ける、マスク着用や消毒などの対策実施などを勧める文書を出した。

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