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新日本語能力試験を実施=レベル、内容、算出法に変更

ニッケイ新聞 2011年2月9日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は昨年11月28日、国際交流基金の委託を受けてサンパウロ市リベルダーデのFMUで日本語能力試験を実施した。昨年よりレベルが4段階から5段階へと増え、試験内容や算出方法も1984年の開始から初めて改正された。全伯の受験者数は3699人、2009年の4079人から310人減少し、9・3%のマイナスとなった。
 昨年から従来の1〜4級の4段階より、N1〜5の5段階で評価される。国際交流基金によれば、旧2級から旧3級の間に大きなレベルの差があると指摘されていたことや、より細かい段階で正確に日本語能力を判定することが改正の目的。
 N1の合格ラインは旧1級レベルで、旧1級よりやや高いレベルまで能力が図れるようになった。旧2級がN2、旧3級が4N、旧5級がN5に相当、N3の段階が新たに加わった形となる。
 試験内容も新しくなり、従来よりもコミュニケーション能力を重視。解答は今まで通り選択によるマークシート形式だが、文法や語彙の多さだけでなく、実際のコミュニケーションで使えるかといった実用性を踏まえた、総合的な日本語能力が測れる出題形式へと変更された。
 算出方法には、正答数ではなく、解答パターンに基づいて得点を出す尺度得点が導入され、年ごとの難易度の差に左右されることなく、より正確に、公平に得点が表れるようになった。試験内容は、今回より非公開。
 レベル別の受験者数はN1=353人、N2=313人、N3=779人、N4=991人、N5=1263人。
 今回の受験者数の減少について、同センターの丹羽義和事務局長は「試験内容の変更を聞いて昨年は傾向を伺っている人が多かったのでは」と分析、「受験者数は今後、また徐々に増えていくのでは」と期待する。センターでは日本から新たな教材を取り寄せるなど新試験の対策を準備し、能力試験の普及に取り組んでいくという。
 試験結果発表は、2月中旬の予定。

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