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生活習慣病=緑内障=定期検診で早めの発見を=進行すると失明も

健康広場

6月2日(水)

 日本では失明の原因で、二番目を占めている「緑内障」――。中高年に特有の病気だが、自覚症状が少ないのがやっかいな病気だ。野が欠けたり、狭くなったりする嫌な病気だけに、早期発見は不可欠。最近、視野の不調さを覚える人は特に要注意だ。
 【症状】
 眼の中にある圧力(眼圧)が高くなり、眼内の血液循環が悪くなることで視神経が障害を受け、視野以上や視力低下を引き起こす緑内障。一般的には、隅角が正常にもかかわらず、排出路の機能が悪いために房水の流出が滞り、眼圧が慢性的に上昇する「開放隅角緑内障」と隅角が何らかのきっかけで塞がれ、急激に眼圧が上昇する「閉塞隅角緑内障」がある。
 慢性の場合は、視野が狭くなるのが特徴で、徐々に進行するためほとんど自覚症状はない。気づいたときには緑内障が進行している可能性も大。「眼が重い」「疲れやすい」という場合は、要注意。
 後者では突然、目の充血や激しい頭痛を起こしやすい。また、吐き気を伴うことから、以前は内科の症状と間違うことも多かった。
 いずれも放置しておくと、見える範囲が少なくなったり、視力が落ちたりして失明にいたるので要注意。
 【原因】
 眼圧は房水と呼ばれる透明の液体が循環することで、正常な眼圧を保持。房水は毛様体でつくられ、後房から前房を経由し、隅角にある房水排出口から眼の中に流れる。この排出口が通りにくくなると、房水がたまりすぎて、眼圧が高くなり、緑内障に至る。
 また、眼圧は正常でも視神経に障害を起こす場合もあるので気をつけたい。
 【生活習慣への助言】
 時々、片目で物を見ることで視野の異常がないか調べる。左右で行うことも忘れずに▽開放隅角緑内障は自覚症状がない。四十歳以上になれば、三十人に一人は緑内障を持つと言われるだけに、定期検診を忘れずに。
 【早期発見には】
 身内に緑内障患者がいたり、近視の強い人、眼圧の高い人は特に要注意。一旦、視野が狭くなったり、欠けたりすると進行を食い止めることは可能だが、元に戻ることはない。眼圧測定に加え、視神経の障害の程度を調べる眼圧検査が不可欠だ。
 また、高齢者は老眼鏡を作る機会もあるはずだが、ぜひ合わせて眼底検査もしてもらいたい。