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冬は肌の大敵=高齢者に多い「皮脂欠乏症」=冬の低湿度に要注意

健康広場

6月16日(水)

 「どうしたことか、このごろ体全体が痒くて困っています。冬場になると痒くなるのはどうして」――サンタカタリーナ州フロリアーノポリス市在住の梅田礼司さんから手紙でこんな質問を受けた。冬の到来に加え、シャワーで入浴を済ますことが多いブラジルでは肌の水分が不足しがち。ただでさえ、高齢者の場合、冬場には肌に痒みを覚えがちなのに、より一層カサカサ肌になり、痒さが増すわけだ。冬の肌のトラブルとその対策法を紹介する。
 秋から冬にかけて、目立った湿疹がないにもかかわらず、皮膚科に痒みを訴えて来院する患者が増えてくる。こうした患者には特に高齢者が目立つが、これは「皮脂欠乏症」と呼ばれる症状であることが多い。
 漢字の読み通り、皮膚の脂分が減ることで、皮膚に保たれている水分が減少。その結果、乾燥を生じ、皮膚がかさついたり、ひび割れたりしてしまうと言う訳だ。特に中高年の四肢によく見られ、徐々に痒みを帯びるばかりか、かきむしる事でひどくなり、湿疹状に悪化。今度は「皮脂欠乏性湿疹」に移行することも少なくないので、初期の段階での対策が必要だ。
 さて、それではどうして中高年にこうした症状が目立つのだろうか。人間の皮膚の水分量は、角質細胞間脂質と皮脂、そして天然保湿成分の三つで保たれている。
 残念ながら、加齢という人間が避けられない宿命により、皮膚機能は低下。皮膚は乾燥した状態に陥ってしまうのだ。
 「冬場に痒くなるのはどうして」という質問だが、次のような理由が挙げられる。冬場には気温だけでなく、湿度も同時に低下する。このため、夏場には肌の表面が壊れていても、汗や湿気が潤いを与えてくれるため、痒みは特に感じない。しかし、冬場になると肌が乾燥し、ささいな刺激さえも感じやすくなるため、痒みが目立つのだ。
 加齢と冬の乾燥が、深いな痒みを生むということを分かってもらえたと思う。次回は日常生活における注意点や改善のポイントなどをサンタクルース病院の皮膚科医に聞く。

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