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生活習慣病=腎硬化症=発病呼ぶ高血圧=まず塩分の制限を

健康広場

8月11日(水)

 動脈硬化――と聞くと心臓や脳だけの症状だと思っていないだろうか。あまり知られてはいないが、腎臓も動脈硬化が起こりやすい臓器の一つだ。塩分過多の生活に陥りやすいブラジルでは高血圧が「天敵」となるが、高血圧がもたらす負の副産物が今回紹介する腎硬化症なのだ。放置しておくと死亡することもある恐ろしい病気だけに、日ごろの生活習慣を見直すことは不可欠だ。
 【症状】
 高血圧が長期間続いていると、腎臓の血管に動脈硬化が起こる。というのも腎臓は体の中でも一番血管が多い臓器として知られ、心臓から送り出される血液の20~25%は腎臓に流れ込む。血管や血液量が多ければ、動脈硬化を起こしやすい、という訳だ。
 動脈硬化が起こり、腎臓を流れる血液量が少なくなると腎臓自体が硬くなってしまい、老廃物の排泄に障害をもたらすことになる。
 ここで腎硬化症には良性と悪性の二種類があることを知ろう。
 まず良性は、もともと高血圧にかかっている四十歳以上の男性に多いのが特徴で、自覚症状はほとんどなく進行するのが特徴。肩こりや動悸、めまい、頭痛などを訴える人が多く、また強度のタンパク尿や心臓障害がみられる。
 ただ、良性はきちんと治療すれば改善は可だ。
 対照的に怖いのが、悪性で三十~四十歳台の比較的若い層に目立つ。急激に進行し、一、二年以内に尿毒症にまで進行し、心不全や脳出血で死亡することもあるので要注意。激しい頭痛が初期症状であることが多い。
 【原因】
 良性の場倍、高血圧が長く続くと徐々に全身に動脈硬化が進行するが、動脈硬化が最大の原因と考えられる。
 【生活習慣への助言】
 高血圧がもたらす病気だけに、やはり欠かせないのが塩分のコントロールだ。
 まず食事を見直し、安易にシュラスコやフェイジョアーダなど塩分が多い食べ物は控えよう。
 塩の主成分となるナトリウムが体内にたまると、体液が増え、交感神経を緊張させたり、血管を収縮させるなど血圧を上げる作用がある。このため、高血圧の人は一日5~8グラム程度に抑えること。
 また、ナトリウムの排泄を促すカリウムを豊富に含む食品(りんご、枝豆、バナナ、カボチャ)をしっかり食べることも忘れずに。血圧を下げると言われるカルシウムを含んだ食品やマグネシウムを豊富に含んだ食品(焼き海苔、昆布、ごま)も効果的だ。
 肥満は高血圧につながるため、太っている人はカロリー摂取を控えよう。一日に三十分でいいから軽めの運動を続けて欲しい。
 禁煙と禁酒も欠かせない。
 【早期発見には】
 良性の場合に紹介したように、症状が出ないことが多い病気だけに、定期検診は欠かせない。検診では尿検査や血液生化学検査で腎機能をチェックすること。
 

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