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骨盤から生じる派生病(4)=椎間板ヘルニア・=和柔整体・中田定和

健康広場

10月27日(水)

 今回は、椎間板ヘルニアについて説明することにする。小生、職業柄、無意識に、歩いている人の姿勢に視線がいってしまう。脊柱がまっすぐしている、肩が左右どちらかに落ちている。体が少しよじっている、頸椎がやや前に曲がっている「つる首」や、背骨が後ろに反りかえる「はと胸」など、実にいろいろな格好で歩いている人を見かける。そんなとき「この人は骨盤がこのくらいずれているナ」と、想像で診察してしまう。
 脊柱の異常は側彎(わん)、前彎、後彎の三つに大きく分けられる。これらは生まれつきのもので、生命にはあまり関係なく寿命をまっとうできる。治療して治るというものではない。一番多いのは側彎で、左に大きく曲がっている人は、心臓を圧迫するので気をつけなければいけない。
 また、前彎に多いのは喘息(ぜんそく)の持ち主で、とくに小児喘息は前彎があるといってよい。俗に「猫背」といわれるものだが、肺を圧迫するため気管支網が十分にはたらかないのがその原因になっている。
 では椎間板ヘルニアはなぜなるのか、その原因と治療法について述べてみよう。
 まず椎間円板について簡単に説明する。たまねぎをま二つに切るとよくわかるように、なかにたくさんの輪がある。このようにたまねぎは何枚もの皮が重なってできているのだが、椎間板もこれと同じで、この皮の部分を線維輪、まん中の中心部を髄核とよぶ。線維輪は線維軟骨からできていて、わりあい薄く、いろいろな面からの圧力に耐えられるようになっている。
 髄核は水分をたくさん含んで水枕のようにやわらかく、椎骨に加わるすべての圧力を分散させる役目をしている。ところが線維輪のある部分に損傷が生じると、髄核の水分が流れでてかたまりができる。つまり、ちょうど痔のようなものができ、これが脊柱管にむかってつきでて、神経根を圧迫して痛みを感ずる。このような状態をふつう椎間板ヘルニアと呼んでいる。
 最近、「どうも腰がだるい。顔を洗ったり歯をみがいたりしていると、背骨から腰にかけて何ともいえない痛みを感ずる。近くの公園を二周も三周もし、体操もして健康に気をつけているが、腰のだるさは翌朝ひどく、ますます痛くなる」。という人がよく診療所に来る。
 原因はすべったりころんだり、階段から落ちたりして、骨盤が左右どちらかにずれ、椎間円板を圧迫しているからである。この症状を腰痛といい、椎間板ヘルニアの以前に起こるものである。椎間板ヘルニアは、第三、第四、第五腰椎間において起こりやすく、過激なスポーツ、たとえば相撲、サッカー、ラグビー、柔道、重量挙げあるいは自動車事故などによって、椎間円板に過度の衝撃をあたえて線維輪のある部分に損傷を生じた場合に起こるもので、われわれ一般の者はめったになるものではない。
 つまり、まだ腰痛の段階で和柔整体をして、骨盤を正位置にもどし、椎間板ヘルニアにならないようにすることが大切である。

 ◎東洋医学・NAKA
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 56。

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