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システム崩壊の危機―健康保険=連載(3)=健康保険法の概要中=条件付で持病のある人も加入可能

健康広場

5月4日(水)

■持病について
 一九九九年一月四日以前に交わされた契約の大部分は、「持病」をカバーしなかった。三つ口といった生まれつき持っている病気のほか、保険会社はがんやエイズなど発病の特定が困難なものも「持病」と扱おうとした。
 その結果、消費者との衝突は枚挙に暇がなかった。このような契約約款を違法だと見なす判決が、これまで数え切れないほど出されている。
 健康保険法は判例に準じて、保険会社の一般的な慣行を不当で禁じられるものだと明記した。ただ、契約後二年間に保険会社が加入者の「持病」を発見し、本人が事前にその事実を知っていた時は、サービスの給付が停止される恐れがある。
 保険プラン全てが使えなくなるのではなく、該当の病気・傷害に関係した「高度な治療法」・手術・集中治療室が否定されるだけ。排除される期間は、二十四カ月になっている。
 「高度な治療法」の専門的な定義はない。そのため国家保健監督庁(ANS)が基準を設け、化学療法、カテーテル挿入、スキャンなど三百種以上を含めた。このリストは、連邦医師会や消費者保護センターなどから厳しい批判を浴びた。
 CONSUは、契約に先立って、消費者に本人の知り得る範囲で保険会社に病気・傷害を通知するよう義務付けた。加入者がこの義務を怠れば詐取だと非難を受け、各企業の基準によって、契約の一時停止か解約に追い込まれる。
 告知に当たって、CONSUは手順を規定。加入希望者は、保健網に含まれた医療機関や同社の紹介で、医師に問診を受け健康診断書に書き込む。同診断書の形式は保険会社自身の手で作成され、現在と過去に罹った病気が比較されることになる。
 健康保険法は医師に対して、〃指導者〃として行動するよう命令。持病と分類され得る病気について厳格な審査を行わなければならい。また、健康状態を誤って申告した者に代替案などを示さなければならない。
 もちろん自費で、同保険が効かない医療機関で検診することも可能だ。「高度な治療法」、UTIを要する持病があると判断された時、加入者には次のような選択肢が残されている。
 (1)保険料を二十四カ月支払えば、その後治療が困難とされる「持病」を保険で賄ってもらえる(cobertura parcial temporaria)。ただ、救急の時は例外。保険がカバーするよう、保証を義務付けている。
 (2)保険料を上乗せして納めれば、契約直後から「持病」に保険が効く(agravo)。CONSUの規定で、一九九九年十二月三日から施行されているもの。 アグラーヴォを選択する価値があるか判断するため、一般のプランと比べてどのくらいコストが上がるかについて、消費者は保険会社から提示を受ける権利を持つ。
 保険会社は保健省の規定に従って、新たに生じる経費と計算方法を示さなければならない。
 ただし、(1)、(2)ともに五十人以上の団体加入は適用外。
 契約後二十四カ月以内に、消費者に「持病」があることが分かった時、保険会社は保健省やANSに持ち込み、加入者が事前に知っていながら隠していたとの疑いを巡って争える。
 審議中は、給付の停止は禁止。だが、保険会社の言い分が認められたら、同社が定めた期日以降、消費者は「持病」に関連する出費を支払わなければならない。詐取を理由に、契約が破棄されることもあり得る。
 行政の判断に不服なら、消費者は司法裁判に提訴。契約時に持病が存在していたことについて、善意(知らない)であり、保険のサービスを受ける権利があると主張してもよい。 
 契約後二十四カ月が経過しているなら、保険会社は「持病」について提訴することは出来ない。さらに、保険料を上乗せして徴収することも禁じられている。       (つづく)

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