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特効薬のない結膜炎=ミナス州都で猛威奮う=乾燥・寒さで感染拡大=予防は手洗いが効果的

健康広場

2005年9月21日(水)

 ウイルス性の結膜炎は感染力が強く、「はやり目」とも表現される。空気の乾燥がウイルスの繁殖を助長。さらに気温が下がると、人が室内に集まるため容易に広がりやすい。そのため例年この時期に、多発するという。ただ爆発的に患者数が増えない限り行政は警報を発しないため、各個人が感染動向に目を向けていなければならない。発病すると二~三週間で完治するが、特効薬はなく治療は点眼薬で炎症を抑えるだけ。一般市民は日常生活の中で、手をこまめに洗ったり、患者とのタオルの共有を避けるなど予防対策を講じることが求められる。

■最近の動向
ベロ・オリゾンテ市(MG)で今月十、十一両日、結膜炎の患者が救急科に押し寄せた。州内で最大規模の眼科センターを持つサンタ・カーザでは、一時間に八人を応対。一日平均が七十人に達し、一般小児科センター(CGP)に駆け込む子供の姿も見られた。
眼科の当直責任者、ギレルメ・モウロン医師は「今年の冬はそんなに寒くはないけど、毎年この季節に感染病の患者数が伸びる。密閉された場所に人が集まって、接触が増えるからでしょう」と分析している。
サンパウロ州でも、黙視できない。きちんとした統計はないとしながらも、カンピーナス大学は先ごろ、同市でほかの時期に比べ少なくとも四割増加したと発表した。
最低気温が九度まで下がった上に、強風が吹いたのが主因。ケイロス・ネット眼科医は「角膜に酸素を補給するために涙が必要なんですが、風が強いと目がすぐに乾いてしまうんですよ」と注意を喚起する。
ほかの専門家によれば、特にコンタクトレンズの使用者とアレルギーのある人が感染しやすいという。
そう言えば昨年の今ごろ、サンパウロ病院が一昨年に比べて患者数が二百倍になったと警告。これに対して市が感染者の急増はみられないと反論し、物議を醸していた。
■症状と感染予防対策
結膜は目の表面を覆う薄い透明な粘膜で、角膜の周りにある白目の表面とまぶたの裏を覆うピンクの部分からなる。結膜炎になると白目が充血。目やにや涙が出るほか、まぶたが腫れることもある。
原因は(1)細菌(2)ウイルス(3)クラミジアなどの病原体(4)花粉や家のほこりによるアレルギーだ。ウイルス性結膜炎の中で人にうつりやすいものを「はやり目」と呼び、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の三種に分類される。
急性出血性結膜炎は、現在ほとんどみられない。咽頭結膜熱では三十九度前後の発熱が数日間続き、吐き気・下痢の症状を伴う。ものが飲み込めないほど、のどの痛みがあることも。
細菌性結膜炎は抗菌薬を二~三日点眼すれば症状が改善するのに対して、ウイルス性結膜炎には今のところ特効薬がない。そのため免疫ができて、自然回復するのを待つしかない。ただ、炎症を抑えたり細菌の混合感染を防ぐための医薬品が処方される。
抗体ができて完治するまでの日数は二~三週間だ。感染の危険がある期間は、流行性角結膜炎・咽頭結膜熱が発病から約二週間、急性出血性結膜炎が三~四日。発病から日が浅いほど危険度が高い。
その間、患者は人にうつさないよう(1)目をこすったり、触ったりしない(2)よく手を洗う(3)ペーパータオルを用いる(4)食器は煮沸消毒する(5)洗濯は別々にして日光でよく乾かす(6)医師が許可するまで、職場や学校を休む──ことが求められる。
体内に抗体ができるとと、ウイルスに対する見張り役になるため、再び感染する恐れはないと言われる。ただウイルスの種類が異なれば、また辛い思いをすることもあり得るので、結膜炎〃前線〃から目を離せられない。

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