健康長寿の秘訣＝連載（９）＝養生延寿の保健案＝東洋医学医師＝彭文育　

健康広場

2005年9月21日（水）

　慢性の便秘　
　普通一日一回、有形便の排出があれば正常だが、二日～三日に一回でも有形便で特に目立った症状がなければ異常なしと判断できる。便秘は排便回数が極端に少ないか、毎日あっても便が硬く排便に困難を来たすような状態をいう。便秘の種類には次のようなものある。
　（１）器質的便秘　大腸がんがあったり黒物が癒着して腸のどこかに狭窄（きょうさく）を起こしていると、便の通過が妨げられる。また大腸にこのような障害がなくても、腸管が異常に太くなっていたり（巨大結腸症）、腸が普通より長くなっている（結腸過長症）と便秘になる。
　（２）機能的便秘　慢性腸炎・腸結核などで下痢と交互にくる便秘、または内分泌異常、腸内消化酵素の分泌が悪い場合に起こる。
　（３）常習性便秘　全体の便秘の三分の二を占める。消化のよいもの、かすの少ない食品ばかり食べていると便の生産が少なく次第に便秘がちになる。
　便秘の弊害とその症状
　一般的な自覚症状は（１）食欲不振（２）ゲップ（３）腹部膨張感（４）下腹部圧迫感（５）胸焼け。頭痛、目まい、肩こりのため不眠症を起こして疲れやすく、作業能力や精神集中力が低下してノイローゼになることもある。
　高齢者が頑固な便秘になると、大結腸症が原因でがんを発生させる恐れがあるから注意が必要だ。
　便秘の治療と予防
　主な予防策は（１）一日一回、一定の時間に必ず排便の習慣をつける（２）運動・食事・睡眠に注意を払う（３）規則正しい生活を送る（４）精神的・肉体的疲労を避ける（５）毎日入浴する（６）早期治療する──こと。
　具体的には（１）起床したら水を飲む（２）繊維のある野菜と果物を多めに摂る（３）脚を床の上で上下させる運動を朝晩六十回する──ことがお勧め。糞便は人体中では廃物・毒素なので早く排出する必要があり、便秘になれば直ちに治療しなければならない。
　漢方を使っての治療には（１）防風通聖散（２）厚朴七物湯（３）麻子仁丸（４）潤腸丸がある。疑問・相談のある人は１１・３３２６・３９２７まで。

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