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110周年記念リレーエッセイ=若手・中堅弁護士が見た=日伯またぐ法律事務の現場

110周年記念リレーエッセイ=若手・中堅弁護士が見た=日伯またぐ法律事務の現場=第7回=ブラジル研修雑感~机の上の法律も面白いけれど~

照屋さん

 昨年、ご縁があってサンパウロ市スマレの法律事務所にて半年ほど研修をさせていただくことになった。同事務所では会社法部門に配属させていただいたのであるが、もとより労働法全般に興味があり、比較法的にもブラジルの労働法が特徴的で勉強してみたかったので、折に触れて労働事件にも多く同席させていただいた。  例えば、日本で雇用していた労働者 ...

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110周年記念リレーエッセイ=若手・中堅弁護士が見た=日伯またぐ法律事務の現場=第6回=在日日系人と交通事故

 筆者は、東京で弁護士をしている日本弁護士であるが、ポルトガル語やスペイン語が話せるので、それら言語の話者からの法律相談を受けることも多い。  そのほとんどが、ブラジルやペルーからのいわゆる「デカセギ」労働者である。これら「デカセギ」労働者の多くは、日本に住んでいるので、ある程度までは日本語を話すのだが、どうしても、法律問題など ...

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110周年記念リレーエッセイ=若手・中堅弁護士が見た=日伯またぐ法律事務の現場=第5回=戦わずして勝つ

古杉征己

 ブラジル弁護士協会(OAB)サンパウロ支部に登録を済ませ、1年が経った。弁護士としての経歴を積むには、机の上での勉強だけではダメ。どんな形であれ、実務に携わらなければならない。  そう思って、以前セントロのJunta Comercial(商業登記所)へ行ったことがある。企業設立や定款改正を登記するのに、必要な書類をきちんと確認 ...

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110周年記念リレーエッセイ=若手・中堅弁護士が見た=日伯またぐ法律事務の現場=第4回=「有限会社」設立が圧倒的という現実

島野パトリシアさん

 ブラジルに帰国をして、9年目になります。夜間の大学(法学部)に通いながら、日本人のお客様をサポートする法律事務所で研修をさせてもらい、そこで、主にブラジルに子会社を設立したいお客様のために現地法人が設立できるまでに必要な手続き、すなわち、定款の作成や登記のみならず、連邦国税庁における登録手続き、資本金の送金に関わる手続き、口座 ...

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110周年記念リレーエッセイ=若手・中堅弁護士が見た=日伯またぐ法律事務の現場=第3回=知られざる「日系三世ビザ問題」

 まもなく日系四世ビザに関する新制度が開始になるが、実は日系三世の間にも、ビザに関する格差、いわば「日系三世ビザ問題」が存在することは、あまり知られていない。  筆者は国外就労者情報援護センター(CIATE)で訪日就労者の相談に答えているが、たまにサンパウロ以外の州に住む訪日就労希望者から「サンパウロに住所を移さないとビザが出な ...

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110周年記念リレーエッセイ=若手・中堅弁護士が見た=日伯またぐ法律事務の現場=第2回=労働法、税法の理解のために

古藤ウイルソン忠志さん

 ブラジルにおける労働法、税法は、日本の駐在員にとって一番分かり難い法制度になっています。私は2年間ほど日系企業との付き合いがありますので、日伯の比較をしながらブラジルの労働法、税法について幾つかの問題点を取り上げたいと思っております。  まずは労働法についてお話したいと思います。  ブラジルは、労働訴訟大国です。ブラジルの労働 ...

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110周年記念リレーエッセイ=若手・中堅弁護士が見た=日伯またぐ法律事務の現場=第1回=弁護士は将来、コンピューターに職を奪われるのか?

柏健吾

 進出企業や在日ブラジル人コミュニティーを含め、日系移住史は血と汗と涙の結晶といえる。そんな移住者を支え、日伯関係の懸け橋になってきた人材は、枚挙にいとまがない。中でも、日本法・ブラジル法弁護士の役割は大きかった。現在でも、日本の事務所から派遣されて企業支援に奔走する弁護士、日伯両語に堪能な二世弁護士、訪日就労者の支援に携わる日 ...

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