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皇室外交の花開く

2003年1月1日(水)

 天皇、皇后陛下を始め皇室の方々は健やかに新年を迎えられた。皇太子さまご夫妻の愛子さまも満一歳の誕生日をお元気に過ごされもうすぐ一人でよちよち歩きをされる日も近い。
 お風呂が大好きで御所内を飛び交う小鳥にも興味を示し手押し車につかまり立ちもするようになられたそうだし真ん丸いお顔が可愛い。敬宮愛子さまがお生まれになったときに国民は大いに喜び皇室の安泰を祈ったが、女帝を認めてもいいのではないかの世論が急速に広まった。現在の皇室典範では皇族の直系男子でなければ天皇陛下にはなれない規定になっている。これを改正して女性天皇を認めるの意見が国民の大勢を占めるようになった。
 皇室の歴史を見ても推古天皇を初めとして皇極、持統など女性の天皇陛下は江戸時代まではいた。男子直系としたのは明治になってからであり、国民の多くはこの辺りの事情についてもよく知っている。このために世論調査によれば八〇%近い人々が女性天皇制度を支持しているのであり、小泉首相も肯定的な発言をしているし議論が進展するのは間違いない。

 さてこの一年の皇室を振り返って見ると極めて多忙な日々であった。取り分けて皇室外交が見事なまでに開花した年といえる。
 七月には天皇、皇后両陛下がポーランドとハンガリーをご訪問になり交流の輪を広げられた。この折りにはチェコ、オーストリアにもお立ち寄りになられ皇室外交の素晴らしい花を咲かせた。九月の末になると美智子皇后さまがスイスへと旅立たれる。バーゼル市で開催される国際児童評議会の創立五〇周年にご出席のためだが、皇后さまがお一人で外国旅行にお出掛けになるのは皇室始まってから初めてのことであり大いなる話題を呼んだりした。
 皇后さまには「はじめてのやまのぼり」という自作の絵本があり、子供向けの本についてはご関心が高いのは承知してはいたが、皇室の千年、二千年という長い格式と伝統を破られてのお一人の旅は国民に大きな感銘を与えた。暮れに入ると皇太子、雅子さまが豪州とニュージーランドへの公式訪問に向かい親善を深められたのは喜ばしい。
 秋篠宮、紀宮さまも外国を訪問されて活躍なされたし皇室にとっては真に忙しい一年であられた。
 それにしても天皇、皇后さまなどのご日常は余りにも多忙にすぎる。インターネットで宮内庁が作成した両陛下のスケジュールを見ると、一日として暇なときはない。内閣総理大臣からの報告や諸外国からの大使謁見に始まって多くの行事への出席もある。しかも、この日程表にはないのだが法律などへの署名や非公式なものもいっぱいある。
 もう少し自由な時間をの声はあるけれども、これらは公務でもあり、実現はなかなかに難しいらしい。女性天皇論もながら皇室の方々を超多忙から解放する方策についても真剣でしっかりした議論があっていいのではないか。
 高円宮さま薨去の哀しみもあった。ライト駐日カナダ大使らとスカッシュを楽しんでいるときの突然のご逝去には誰しもが驚いたものである。今年のスポーツ界を沸かせたワールドカップに際しては皇族として韓国を訪問し大会の盛り上げへの力となったし日本ホッケー協会の名誉総裁を務められるなどスポーツ好きで知られた人である。天皇陛下も大変に哀しまれたし皇太子殿下、秋篠宮さまも共に「非常に残念」と語られているけれども、確かに四十七歳という余りに早いご逝去であった。皇太子さまは「いろいろと相談に乗っていただくなど、兄のような存在でした」と述べられているが─秋篠宮も同じような心持ちであられるに違いない。秋篠宮さまの紀子妃殿下の祖母も老齢のために逝去されているが、こうした深い哀しみを乗り越えながら皇室の益々の彌栄を祈りたい。

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