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コラム 樹海

 日本は本当に長寿の国になったものだ。全国平均で女が八四・六二歳。男性七七・七一歳だそうだから列島中にお爺さんとお婆さんがいる。少し前までは沖縄のお年寄りがとても達者で世界一の長寿者もいて話題になったりもした。いろんな原因があるそうだけれども沖縄の食事が栄養的にも素晴らしいらしい。それと、あまり小さな事には拘らずにのんびりと暮らすのが長生きに通じるそうだ▼今でも女性の平均寿命は日本一だが、男性については長野県に譲ってしまい沖縄は二十六位に甘んじている。信州は教育県として知られるが医療面でも住民たちを大切にする。そんな医学的な先見性が長寿に繋がったのに違いない。東北の青森と秋田両県は昔から短命が有名だった。真偽の程は置くとして酒豪が多いために動脈硬化が多いためと説明されていたのだが、青森県は男女共に最下位なのはちょっと情けないような─▼これに比べると長野県は男性では一位。女性でも沖縄福井に次ぎ三位は褒められていい。あるいは、この地域も食べ物に恵まれているのかもしれない。思い当たるのは一にも二にも蕎麦だけれども、祖母から母へと伝承されてきた健康的ないい食物がきっとあるはずだ。その昔には、長生きかどうかは神様と仏様だけが知っていると教わったが、今にして思うとやはり食べ物と運動や医学の影響が大きい▼明治の頃は五十代に入ればもうお年寄りだったのに現在の日本には百歳を超す人が一万人以上もいるのが何よりも雄弁にこれらの事々を物語っている。 (遯)

03/01/28

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