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コラム 樹海

 公開討論会。文協(ブラジル日本文化協会)改革委員会によって先週末実施された。近ごろ珍しい企画でもあり、意義あるものとなった。けだし人の意見、主張を黙って聞く(聞かされる)のは並大抵のことではない。ただただ「忍の一字」あるのみ。大方がそう思ったのではなかろうか▼なにせ文協始まって以来の公開討論会だ。出席者はおよそ半世紀に一度の機会に恵まれ?たことになる。六百余の団体に出席を呼びかけたとか。実際に参加した代表者の数はそれほど多くない。が、旧来からの惰性とみるなら別に驚くには当たらない。〃少数精鋭〃の譬えもある。あの酷い暑さのなかに集い来た人びとは一騎当千の錚錚(そうそう)たる顔ぶれだ。「強い文協」をつくりあげようとする心意気がよみとれた▼討論会というより一方的発言の形式が採られ、拍子抜けしたのは否めない。時間の制約上やむを得ないが、それでも文協への注文は伝わっただろうと思う。発表時間は五分厳守なのに、これを超えてのだらだら組もいたりして、見苦しい場面もあった▼ともあれ公開討論会も終わった。あとは新会長はじめ執行部のシャッパ作成のみとなる。文協〃再生〃の理念のもとに遣る気満々で使命感に徹した強いリーダーの出現が待たれる。改革委が心血を注ぎ取り組んできた文協の骨子と方向性は時代に即応している。これが実現のために若い世代を起用する人事が望ましい――と注文しておく。   (田)

03/02/12

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