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「農業の基本は土造り」=がんこ村社長が主張=「原点に返れ」と横森さん=「地域のブランド商品作れ」

3月6日(木)

 自然農法生産者協同組合(APAN)主催で八、九日、イビウーナ市役所で講演する横森正樹さん(六二)がブラジルに到着、あいさつのため来社した。八年前に来伯しており、今回で二回目。横森さんは、「農業の基本は土造りに尽きる。原点に返れ」と主張。「末期がんと同じで、農業も連作障害などが出てきてからでは手遅れ。地力をつけておけば病気も出ない」と説明する。

 「人の仕事に手を出すな」と強調する。「銀行が本来の仕事をやらずに冠婚葬祭、保険などに手を出すからつぶれる。農家が商社の真似をするから経営困難に陥る。コチア産組中央会が崩壊した原因もそこにある」と手厳しい。
 日本の複雑な流通システムについても、一家言ある。「川上と川下の距離を短縮しろ」と提唱する。新しい通信技術と輸送技術を駆使して、生産者と消費者を直接結びつけるように努力すべきという。横森さんは、トラックの運転手が小売店の注文を取り、その注文書を農家に直接渡すようにして、安くておいしい新鮮な農産物を消費者に届けるシステムを確立した。
 農業を含めた企業は逆境の時には、利益ゼロでも持ちこたえる事が大事。横森さんは、地域に根差した地域のブランド商品を作って待っていれば、必ずすばらしい時代がやってくる、とみる。
 南米の農業従事者はアメリカ、日本の真似をすればいい。足踏みは許されない、よく勉強する必要があるとアドバイスした。「土に返れ。原点に返れ」と繰り返し強調した。
 講演の問い合わせは電話=5542・6034。
 [横森正樹]
 がんこ村取締役、信州がんこ村代表取締役社長、つがる高原がんこ村取締役、青森県川内町農業振興顧問、長野県環境審議委員。

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