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念腹語り虚子祀る=リ・ピーレス 「俳句の日」に110人集う

5月7日(水)

 [既報]リベイロン・ピーレス市は、去る四月二十一日を「俳句の日」、同日行われる虚子忌俳句大会を市の行事に制定していて、今年も大会を主催した。出席者百十人。今回、初めてニッケイ新聞の後援となった。
 市役所園内にある「三日月の虚子句碑」に献花を終えて、リベイロン文協会館で俳句大会が行われた。それにさきだち、祭壇の虚子像と遺影に香を点じ黙祷を捧げた。司会は西谷南風さん、記録は加藤淑子さん、選者は栢野桂山、星野瞳、富重かずま、広田ユキ、樋口玄海児の五氏(年齢順)。
 各選者の選句。
       栢野桂山選
鰯焼くことの幸せ炭赫く
 大崎市朗
手ほどきを受けし父亡し虚子祀る 宮原育子
冷やかに愛の泉と云ふ洞
       浜田すみえ
俳句の日制定せし市の虚子忌かな 西沢てい子
冷やかに鍾乳洞の大広間
        吉見一決
  特選句
大虚子の齢を生きて忌を修す      中村伴三郎
星野 瞳選
グラシオーザてふ旧道のクアレズマ 宮内暁風
戦争の圏外に住み虚子祀る
       坂本美代子
海にまだ泳ぎたさうな鰯買ふ        小西成子
未来視る三日月の句碑虚子祀る      加藤淑子
若い夫を娘にあずけ今日虚子忌       平尾洋子
  特選句
建て直す日本人会豊の秋
       串間いつえ
富重かずま選
豊年や百四才のご来客
       外山美沙生
俳句の日制定せし市の虚子忌かな    西沢てい子
鰯買ふ赤く塗られし爪先で
       榛葉百合子
買ふて来しガタガタミシン豊の秋     細梅鶴孫
長き夜の明け番犬の甘え来る       池田童夢
  特選句
本山に瓦献金豊の秋
        山本紀未
       広田ユキ選
たらたらと油のたれる鰯焼く      竹内もと子
リベロンの霧晴れて来し虚子忌かな    住谷久生
念腹を熱く語って虚子祀る
        小斎棹子
海にまだ泳ぎたさうな鰯買ふ       小西成子
豊年や鄙は依然と嫁旱り
        浅見天童
  特選句
市を挙げて句碑の清掃虚子祀る     坂本美代子
樋口玄海児選
セラード産の輸出珈琲豊の秋      永田美知子
晴れ渡る真珠の町のクアレズマ      中馬和子
豊年や新車を買ふて父戻る
       西川あけみ
豊年の大豆畑が目の限り
       水本すみ子
椿寿忌に必ず会へるかと参じ       加藤淑子
  特選句
念腹を熱く語って虚子祀る
        小斎棹子
 選者たちの句評、賞品授与があり、午後三時半無事終了して閉会した。

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