十七世紀の画家レンブラントの絵は仄かに照る。俗にレンブラント・ライトという。「夜警」は分かるが「解剖」を画題にしても陰影が深い。
福岡県人会長の渡部一誠氏は世界的な解剖学の権威だ。この二世屈指のエリートにいま辞職を求める声が聞こえてくる。署名運動の結果、臨時総会で解任を突き付けられる可能性が高い。
伝統の農業実習生受け入れ事業の中止など重要な決断を下す際、「密室で事を運んだ」そうだ。執刀者以外立ち入り禁止の手術室と県人会は違う。周囲の意見を求めてもよかったのではないか。オペならば身体の仕組みに精通すればいいが組織の統率に当たっては人心の掌握が肝要だ。
騒動は他県人会にも波紋を呼んだ。言い分もあろう。渡部氏は事態の患部を明かすべきだ。もちろん「解剖」がレンブラント・ライトでは困る。(大)
03/05/13