ホーム | 日系社会ニュース | 軍警が農村部警備強化=相次ぐモジ、スザノでの日系農家強盗=二輪隊が巡回開始=モジ 市民警備隊創設へ=日系の大佐や市議が協力

軍警が農村部警備強化=相次ぐモジ、スザノでの日系農家強盗=二輪隊が巡回開始=モジ 市民警備隊創設へ=日系の大佐や市議が協力

5月29日(木)

 【ジアーリオ・デ・スザノ、モジニュース】殺人や強盗など郊外での治安悪化が深刻化しているスザノとモジ・ダス・クルーゼスの両市で、行政や治安当局が治安改善に向け動き出した。スザノ市で二十二日にエステヴァン・ガルボン・デ・オリヴェイラ市長らを中心に開かれた会合では、軍警が郊外をオートバイで巡回パトロールをすることなどが決定。機動力を生かした警戒を実施することで、犯罪の予防や捜査能力の向上を目指す。また、日系人の被害が多発するモジ市でも阿部順二市長を中心として新たに市民が監視に当たる市民警備隊(GM)を創設することになった。
 二十二日夜にスザノ市文協で開かれた会合には、エステヴァン市長に加えルイス・ヒガシ議員や市警、軍警など行政当局だけでなく、同市郊外で主に農業に従事する市民約七十人が出席した。
 会場でスザノ軍警第一中隊のアウマーダ大尉が発表した内容は、出席者の関心を集めた。軍警によると、三十日以内に四台のオートバイと一台のランドローバー車による郊外のパトロールを開始する予定だ。
 また、同大尉は四台のオートバイは捜査当局がシャッカラに入る必要に迫られた際にも用いられることを明らかにした。
 軍警では農村地帯に限らず、この地域全体の巡回を強化するほか、シャッカラがある地域に点在する学校の警備も実施する。
 この地域を担当する軍警のナカラダ大佐は、この計画がスザノ軍警第一中隊によるものであることを強調。「これは効果を発揮する」との見方を示した。
 エステヴァン市長は、車両の提供や点検などの形で、市が軍警を支援することを表明。「治安は、常に話し合われるべき問題だ。いつもこのような機運を保つ必要がある」と話した。
 この日の会合に出席した日系人農家は改めて、強盗や窃盗などの被害の実情を訴えた。ヴィラ・イペランジア区のフジタ・ノボルさんは、昨年一年間で五、六件の窃盗の被害届を出している。しかし、フジタさんは例外で、ほとんどの農家は被害を警察に届けていない。「こんな状況が続けば仕事にならない」とフジタさんは嘆く。また、ファゼンダ・ヴィアドゥトに農場を所有するウィリアム・フジクラさんは、この日の会合で行政当局や治安関係者と話し合いを持てたことを評価。「このようなパトロールは強化されるべきだ」などと話していた。
 今年四月以降、日系老夫婦の襲撃事件が相次いだモジ市では、従来あった百八十人からなる市民警備員を市民警察隊として組織改正するとの条例が、市議会で可決された。

image_print