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ヴィニシウス・デ・モラエス書簡集を刊行=散見される日常生活の断片

7月8日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】忘れなさい、詩人、作曲家、歌手、映画評論家、外交官…の面影を。書簡集『親愛なる詩人へ―ヴィニシウス・デ・モラエスの手紙』に登場するのは、やり取りした手紙を「たまたま」残した普通の男だ。
 同書簡集はカリオッカの詩人が十九歳だった一九三二年から世を去った年(八〇年)までの手紙を収め、その間のヴィニシウスの人生を年代順に追っている。
 「手紙の一語一句はたいしたものではない。彼特有の入念さはそれほど表れていない。彼に手紙を送った人たちが技巧を凝らそうと努力していた」と編者は述べ、文学に関するものは取り上げなかったと話した。
 トン・ジョビンとやりとりした手紙には支払い額の調整、著作権や取引に関する議論などが満ちている。ファシズムから共産主義への転向やボサノバを始めて以降の作家との音信の減少なども同書簡集からうかがえる。

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