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こどものその=創立45周年盛大に祝う=州知事ら800人が式典に=日本から多額の支援金届く=目指すは「自給自足」

8月20日(水)

 今年創立四十五周年を迎える社会福祉法人こどものその(井口信理事長)は十五日、文協大講堂で国際福祉セミナーを、翌日は同本部講堂に会場を移し記念式典を催した。セミナーにはジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事、ガブリエル・シャリッタ同州教育局長官、日本から村上一郎・山口県るり学園副園長らが出席。会場には八百人前後が集まった。式典では、日本側からこどものそのや福祉団体に計七百六十七万七千円などが贈られた。

 セミナーの開会式で井口理事長は「るり学園の創始者、村上修好先生の理念『すべてのものは、働かなければならない、それによって人間は尊厳をもつ』をもとに、こどもそのの園生は朝から夕方まで働いている。将来的には自給自足が出来るのでは」と展望を語った。
 続いて、アルキミン知事は「こどものそのの博愛精神と人間の可能性に向けての挑戦には敬意を表したい」と活動を評価した。
 その後、「知的障害者の展望」と題して講演が行われた。日本側から本田雄峰・長崎県普賢学園理事長、坪郷康・山口県下関福祉専門学校校長、三津田和行・群馬県はるな郷理事長、村上副園長ら四人と、ブラジル側からライール・モウラ・サーラ・マラヴィーラAPAEサンパウロ州連合会会長、タズエ・ハラ・ブランキーニョ小児科医院院長、マリア・アリセ・ロスマーニョ・ペレスサンパウロ州教育局特殊学級児童・生徒教育指揮官の三人が講演した。
 講演は障害者に対してのイメージトレーニングに関するものから、ブラジルの障害者支援活動、日本側の障害者福祉の現状にまで及んだ。
 翌日の式典には、中須洋治領事、小松雹玄JICA所長、上原幸啓文協会長、中沢宏一県連会長、和井武一援協会長ら来賓三十六人に加えて、関係者約二百五十人前後が出席した。
 中須領事は「障害を生まれ持った人が、生まれて良かったと思えるような指導をして欲しい」と語った。
 式典では、こどものそのに対し、るり学園から三百万円、山口県下の「こどのものその支援団体」から百六十二万七千円、コロニー基金から二百万円の計六百六十二万七千円が贈られた。文協や県連、サウーデ文協、援協希望の家などの八団体に対してもるり学園から計百五万円の支援があった。
 昼食では参加者に対して牛と豚の丸焼きが振舞われ、伊藤カレンさんのショーや琉球国祭り太鼓が披露された。

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