邦字紙記者で故・安立さんの世話になっていない者は、まずいない。次々と文化協会会長や職員が入れ替わる中で、流れに打ち込まれた杭のように事務局長に留まり、新米記者にも日系社会の〃地図〃の読み方を分りやすく教えてくれた。
記者仲間では、時に「古狸」などと敬愛を込めた陰口を叩くこともあったが、常に「文協のことは安立さんに聞け」という絶対的な信頼感があった。
昨年初めに宮坂国人会長時代の資料を探してもらったことがある。三十八年前のそれが、後ろの棚のずらっと並んだファイルから、あっという間に出てきて驚いた。文協の生き字引、そして文協に一生を奉げた人でもあった。=合掌=(深)
03/08/20